スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

続・谷津の雑感①&補助定理の援用

2023-03-31 19:29:49 | NOAH
 カーンの雑感⑫の中で,厚生年金に関する谷津嘉章の証言を紹介しました。これは谷津の雑感の中には含まれていません。ほかにもそこに含まれていな雑感がまだありますので,改めて紹介していきます。
 谷津は新日本プロレスに入団した後,1980年10月30日の熊本県内の大会でリング上で観客に向けて挨拶をしました。このとき新日本プロレスは九州地方をサーキット中で,谷津も数日間はその巡業に同行したのですがすぐに帰京。その1週間後には渡米しました。この当時の新日本プロレスはWWFと業務提携していましたから,レスラーであり役員でもあった選手の家に居候をしながらプロレスラーとしての練習を始めました。この選手は元美容師のイタリア人のボーイフレンドと同居していたので,気まずい思いはあったようですが,親切にしてくれたようです。新日本プロレスのデビュー前のレスラーはカール・ゴッチの下に送られることが多かったので,谷津はそれとは違っていました。
 キラー・カーンはこの頃にWWFの本拠であったニューヨークに来たばかりで,このタイミングで居候先のレスラーから同じ日本人であるカーンを谷津は紹介されました。ところがふたりはこれが初対面ではありませんでした。まだ谷津がアマチュアレスリングをしていた頃,メキシコで開催された世界選手権があり,この大会をカーンとカール・ゴッチが観戦に来ていたので,そのときに会っていました。このニューヨークでの対面はそれ以来のことでした。
 カーンはすぐにWWFでの仕事が決まったのでニューヨークに住むようになり,谷津はそちらに移ってカーンと同居するようになりました。このときカーンはすでに結婚していて,ふたりの子どもがいましたので,谷津を含めて5人での同居になりました。これが1980年11月後半のこと。カーンと谷津の同居は,谷津がカーンの家に居候をしたということではなく,家賃等すべてが折半でした。ですからこれはシェアハウスの一種になります。一方が家族4人でもう一方は谷津ひとりですから,やや不平等なシェアハウスだったといえそうです。

 第二部定理三八および第二部定理三八系を合わせて考えたときには,そこに何らかの秩序が含まれていると考えなければなりません。ただそれを共通概念notiones communesの適用の秩序というべきであるかは僕には分かりません。ドゥルーズGille Deleuzeは第二部定理三九についてはそれを共通概念の形成の秩序といういい方で示していますが,それを形成の秩序というのであれば,ここにも形成の秩序が含まれているといえなくもないと僕には思えます。しかし第二部定理三八系と第二部定理三九の間にはある断絶があるとみることもできなくはありませんので,僕はここに含まれている秩序もまた共通概念の形成の秩序であるとはいいません。
                                   
 スピノザは第二部定理三八系においても,第二部自然学①補助定理二を援用しています。これは第二部定理三七と同様です。しかし僕の考えでは,この補助定理Lemmaは第二部定理三七には有効ですが,第二部定理三八系にはそこまで効果的ではありません。なぜなら,この補助定理から,すべての物体corpusに共通することがあるということは明らかですが,だからといってそのことの観念ideaが現実的に存在する人間の精神mens humanaのうちに客観的有esse objectivumとしてあるということは別のことでなければならないからです。現実的に存在する人間の精神のうちにそのことの観念が共通概念として発生するのは,あくまでもその人間が共通することを含んでいる物体,この場合はすべての物体に共通して含まれているということになっていますから,外部の物体であれば何でもよいことになりますが,その物体と関係を有するからです。これは第二部定理三八が,この共通概念は人間の精神が自分の精神を知覚するpercipere限りでも自分の身体corpusを知覚する限りでも外部の物体を知覚する限りでも十全adaequatumであるといっていることから明白です。人間がここに示したような事物を認識するcognoscereのは,人間が外部の物体に刺激されるafficiことによってそれらを知覚する,あるいは同じことですが表象するimaginariからなのであって,そしてこの様式以外の方法では自分の精神も自分の身体も外部の物体も人間の精神によっては認識されないことになっているからです。ですから第二部自然学①補助定理二は,この点では無効とさえいえるのです。
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