スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典黒船賞&共通の本性

2023-03-14 18:55:34 | 地方競馬
 第25回黒船賞
 積極的に逃げようとする馬がいませんでした。外の方からケイアイドリーが前に出て2番手にはヘリオス。3番手にサクセスエナジー。4番手にシャマルとイグナイター。6番手にヒロシゲウェーブとガルボマンボ。2馬身差でモダスオペランディとラプタス。ここから大きく離れてアメージングラン。3馬身差の最後尾にクレールアドレとナラで発走後の正面を通過。最初の600mは37秒8のミドルペース。
 3コーナーではケイアイドリーとヘリオスが雁行になり,その後ろがシャマルとサクセスエナジー。直線に入るところで内を回ったシャマルが並んでいたケイアイドリーとヘリオスの内から前に出て単独の先頭。あとは後ろを離していって快勝。ケイアイドリーを競り落としたヘリオスが3馬身差で2着。勝ち馬を追うように内を回ったイグナイターが4分の3馬身差で3着。
 優勝したシャマルオーバルスプリント以来の勝利で重賞4勝目。このメンバーでは実績上位で,実力もトップと思われましたので順当な優勝といえるでしょう。内を回ったことが大きな不利とならなかったという面はありましたが,これだけの着差をつけていますので,能力はさらに強化されているのではないかと感じました。そうであれば今年は昨年以上の活躍を期待してよさそうです。父はスマートファルコン。母の父はアグネスデジタル。祖母の父はダンスインザダーク。母の従妹に昨年のローズステークスと今年の愛知杯を勝っている現役のアートハウス。Shamalはペルシャ湾岸地域に吹く風の名称。
                                        
 騎乗した川田将雅騎手は第12回以来となる13年ぶりの黒船賞2勝目。管理している松下武士調教師は黒船賞初勝利。

 第四部序言の中で,人間の本性の型とスピノザがいっている以上,それはすべての人間に共通する本性essentiaの型と理解するのが適当であると僕は考えます。そして,スピノザがそのような本性,すなわちすべての人間に共通の本性があると考えているという点については,もっと決定的な部分が『エチカ』の中にはみられます。
 スピノザは第一部定理八備考二において,もし自然Naturaのうちに20人の人間が存在するのであれば,20人の人間が存在する原因causa,19人以下でも21人以上でもなく20人の人間が存在する原因がなければならないという意味のことをいっています。このことは第一部公理三から明白だといえるでしょう。そしてそのためには一般に人間の本性natura humanaを示すだけでは十分ではありません。なぜなら,人間の本性のうちには,20人の人間が存在するということは含まれていないからです。このことはそれ自体で明白といえます。このために,同一の本性を有する複数のものが存在するのであれば,そうしたものが存在するためにそのものは外部に原因をもたなければならないと結論しています。
 この結論自体はここでは大した意味はもちません。重要なのは,同一の本性を有する複数のものが存在するという仮定をスピノザがしているという点です。ここでいわれている同一の本性を有する複数のものというのは,20人の人間のことにほかなりません。つまりこの20人は共通の本性を有しているということをスピノザは認めているのです。もちろんこれは仮定としての論理ではありますが,だからといって20人の人間が同一の本性を有しているということまでが仮定であったとしたら,結論部分は導き得ないことになりますから,この点に関しては事実としてそうでなければならないことになります。よってスピノザは,この20人の人間は共通の本性を有しているということを,事実として前提しているのであって,それはそのことが真verumであると認めているのと同じです。
 20人の人間が存在するというのは仮定でしかありません。したがって,存在している人間が何人であるのかということとは無関係に,人間には共通の本性があるということになります。
コメント
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