スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

東京スプリント&個物と間接無限様態

2019-04-11 19:13:00 | 地方競馬
 昨晩の第30回東京スプリント
 飛び出したナチュラリーを制してヒロシゲゴールドの逃げ。その後ろでキャンドルグラス,キタサンミカヅキ,ゴーディー,アクティブミノル,ナチュラリーの5頭が一団。7番手にショコラブラン。8番手にテーオーヘリオス。9番手はコパノキッキング,アンサンブルライフ,ホウショウナウの3頭で集団。12番手にマッチレスヒーロー。13番手がマイネルルークスとサトノタイガー。15番手がジョーオリオンで最後尾にアシャカダイキという隊列。前半の600mは34秒7のハイペース。
 3コーナーではキタサンミカヅキが単独の2番手になり,3番手にショコラブランが上昇。この隊列のまま直線へ。ヒロシゲゴールドが懸命に逃げ込みを図りましたが,キタサンミカヅキが余裕をもって差し切り優勝。大外に回って鋭く追い込んだコパノキッキングが,残り100mを過ぎてからショコラブランを捕えるとフィニッシュ寸前でヒロシゲゴールドも差して1馬身差の2着。ヒロシゲゴールドがクビ差で3着。直線で前と同じ脚色になってしまったショコラブランはクビ差で4着。
                                   
 優勝したキタサンミカヅキ東京盃以来の勝利で重賞3勝目。このレースはコパノキッキング,ヒロシゲゴールド,キタサンミカヅキ,ホウショウナウの4頭のスピード能力が他を凌駕していて,4頭の争いになると見込んでいました。このうち,ヒロシゲゴールドは逃げ,コパノキッキングとホウショウナウは末脚勝負と,展開面に課題があるのに対し,キタサンミカヅキは好位で流れに乗れるタイプなので,最も崩れにくいのはこの馬と考えていました。逃げた馬と追い込んだ馬が僅差の2着争いをしたのですから,その分の有利さが出た一戦だったといえるでしょう。大井の1200mが最も能力を発揮できる舞台のようです。9歳ですがまだ走れることが証明されました。父はキングヘイロー。母の父はサクラバクシンオー。母の8つ上の半兄に1998年に埼玉新聞杯を勝ったキタサンシーズン
 騎乗した船橋の森泰斗騎手TCK女王杯以来の重賞3勝目。東京スプリントは初勝利。管理している船橋の佐藤賢二調教師は東京盃以来の重賞9勝目。東京スプリントは初勝利。

 無限に多くのinfinita個物res singularisによって構成されるのが無限様態modus infinitusであるということは,前に示した第二部自然学②補助定理七備考のスピノザのいい方からも確かであるように思われます。そこではスピノザは延長の属性Extensionis attributumの個物である物体corpusについてのみ言及し,無限に多くの個物が協同すると不変であるひとつの個体としての全自然になるという主旨のことをいっています。ここでいわれている不変の個体は,書簡六十四でいわれている無限の仕方で変化しながらも常に同一に止まる全宇宙の姿facies totius Universiと同じものだと解せます。よって書簡六十四により,それは延長の属性の間接無限様態です。スピノザは延長の属性についてのみ言及しているわけですが,このことは延長以外のすべての属性に該当しなければならないと僕は考えます。するとスピノザは,延長の属性については,無限に多くの物体すなわち個物の協同によって組織されているのが間接無限様態だといっているように解せるでしょう。
 これに基づいて,『個と無限』の第一章の「「エチカ」第一部の二つの因果性がめざすもの」では,間接無限様態は個物であると主張されています。そして『概念と個別性』ではこの主張が敷衍されています。いい換えればその主張に基づいて論述が展開されています。そしてこちらでは,間接無限様態が個物といわれる場合の個物は,個別的事物res singularisとしての個物ではなく,特殊的事物res particularisとしての個物であるとされています。しかし僕はこのような解釈は採用していません。現在の考察との関連だけでいえば,このことについてどの解釈を採用するかはあまり関係がありません。どちらにしても個物を内部と外部に区分することはできないということは帰結させられる筈だからです。ですが僕が間接無限様態を個物とはみなしていない点については,よく理解しておいてほしいのです。なので僕は,僕自身が採用する解釈を基に,個物を内部と外部に区分することができないということがどのように帰結するのかということにまずは的を絞って探求していきます。
 間接無限様態がいかにして発生するのかということは,第一部定理二二に示されています。僕が注目するのは,それが無限であるとされている点です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする