スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

クイーンエリザベスステークス&論理的飛躍

2019-04-17 19:24:11 | 海外競馬
 13日にオーストラリアのランドウィック競馬場で行われたクイーンエリザベスステークスGⅠ芝2000m。
 クルーガーは1番枠からの発走。ラチとゲートが離れていたため,発馬後すぐに内ラチに寄せていきました。その間に外から前に行った馬がいて,5番手の内という位置取り。4番手と5番手は間隔があり,前4頭と後ろ5頭で集団という隊列。そのままコーナーでも内を回り,外を上がっていった馬がいたため一時的に6番手になりましたが,コーナーワークで直線の入口では2番手の内。そこから開いていた最内を突いて伸びて一旦は先頭。残り200m付近で大外を伸びた勝ち馬に並ばれるとそこから少しずつ差を広げられていき,1馬身半差の2着でした。
 先週のレースを使った後,距離が伸びた方がいいという騎手の進言があったため,連闘でここに出走することになりました。勝ち馬は世界最強馬の1頭で,それを相手に現地に乗り込んで勝てというのはかなり難しい要求。それを考えると3着馬に2馬身半の差をつけての2着というのはベストに近い結果だったといっていいのではないでしょうか。騎手がとても上手に乗ったのも事実ですが,ランドウィック競馬場の馬場に対する適性はかなりのものなのでしょう。日本での近走からすると予想できないほど上々の遠征であったと思います。

 考察の対象としている第二部自然学②補助定理七備考のスピノザの主張には,ある論理的な飛躍が含まれているということを僕は以前に示しました。ここでは,現在の考察に見合う形で,この飛躍を別の仕方で説明します。
                                   
 個物res singularisは,あるいは物体corpusは,ほかの物体と協同することによってより複雑な物体を組織します。この最初の物体はどんな物体と考えても構いません。どのように考えても,組織されることになるのは複雑な物体,すなわち延長の属性Extensionis attributumの個物であることに違いはないからです。するとこの物体も物体であるからには,ほかの物体と協同してさらに複雑な物体を組織するのです。この関係は,組織されるのが物体である限り,延々と継続していくことになります。他面からいえば,こうした論理の積み重ねによって,ひとつの個体としての物体的な自然,すなわち延長の属性の間接無限様態の認識cognitioに至ることはできないのです。
 第一部定理二八第二部定理九でスピノザが「無限に進む」というとき,そこにはある消極的な意味が含まれていました。すなわちある結果effectusからその原因causa,それの原因,さらにその原因というように辿っていったとしても,この連鎖は無限に続くだけであり,最終的な原因に辿り着くことは不可能であるというのがその意味でした。これと同じことがこの備考Scholiumの場合にも本当は当て嵌まるのです。つまり,物体がある物体と協同してより複雑な物体を組織し,その物体もまたほかの物体と協同してもっと複雑な物体を組織するという関係は無限に進むのであり,最終的な到達点が生じることはありません。よってそのような論理の積み重ねによって間接無限様態の認識に至るわけではなく,僕たちがこの思考によって間接無限様態の認識に至ることができるのは,もしそうした関係に究極の最終地点があると仮定すれば,それは間接無限様態以外にはあり得ないということを結論するからなのです。ここに論理の飛躍があることは明白でしょう。もし前もって僕たちに間接無限様態がいかなるものであるのかという認識があるのでなければ,この結論を僕たちは得ることができず,論理的には複合の無限連鎖が無限に続いていくだけだからです。
コメント
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