スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

日本テレビ盃&高慢の一歩前

2018-10-04 19:04:19 | 地方競馬
 昨晩の第65回日本テレビ盃
 あまり逃げたくはないという様子も窺えましたが最内のテイエムジンソクがハナへ。ケイティブレイブが2番手でマーク。その後ろはアサヤケ,アポロケンタッキー,ヒガシウィルウィンの3頭。その後ろにオーズ,カガノカリスマ,コスモマイギフトの3頭。この後ろにラッキーポイントとサウンドトゥルーで後方2番手がセンティグレート。最後尾にアサクサポイント。12頭が一団で1周目の正面を通過していきました。向正面に入ると3番手はアポロケンタッキーとヒガシウィルウィンの2頭になり,サウンドトゥルーも5番手まで追い上げ,実力上位の5頭が前を形成。最初の800mは51秒7の超スローペース。
 3コーナーを回ってケイティブレイブはテイエムジンソクの外に並んでいき,3番手のアポロケンタッキーとヒガシウィルウィンとの差が一時的に広がりました。また少し開いてサウンドトゥルー。直線に入って前2頭の競りはケイティブレイブがあっさりと決着をつけ,そのまま後続を寄せ付けずに快勝。コーナーではヒガシウィルウィンに出られかけましたがまた盛り返したアポロケンタッキーが2馬身差で2着。内を狙ったもののテイエムジンソクが下がってきたので外に切り返したサウンドトゥルーが1馬身半差の3着。最後はばてたテイエムジンソクが1馬身半差の4着でヒガシウィルウィンは直線での伸びを欠き4分の3馬身差で5着。
                                
 優勝したケイティブレイブダイオライト記念以来の勝利で重賞8勝目。ここは実力差がはっきりとしたメンバー構成で,優勝候補の筆頭。テイエムジンソクが無理に押さえた感もあり,超スローペースになりましたので,それをマークする位置につけられたのがよかったのでしょう。ただ,ペースが遅い場合は着差は開きにくくなるものなのに2馬身差の快勝ですから,春よりまた強くなっているかもしれません。父はアドマイヤマックス。母の父はサクラローレル。母の12歳上の半兄に1999年に北海道スプリントカップ,2000年にガーネットステークスと黒船賞と群馬記念とかしわ記念と朱鷺大賞典,2001年にガーネットステークスととちぎマロニエカップを勝ったビーマイナカヤマ
 騎乗した福永祐一騎手と管理している杉山晴紀調教師は日本テレビ盃初勝利。

 悲しみtristitiaについていえることは,その反対感情である喜びlaetitiaについても,逆の形で妥当することがままあります。すなわち,僕たちが悲しみを感じている場合,その悲しみの原因が自分自身の精神mensの自由な決意にあったと認識した場合に,ほかの選択肢に関して楽観的になるなら,僕たちは,自分の精神の自由決意によってある喜びを感じていると認識したときは,逆に別の選択肢については悲観的に判断しがちになります。他面からいえば,その選択が正しかったと判断しがちで,その選択あるいはその選択をした自分自身を誇る気持ちになるのです。こうした感情affectusについては,後悔以上に気を付けておかなければなりません。というのは,このような感情は一歩間違えれば第三部諸感情の定義二八にいわれる高慢superbiaに至るからです。
 確かにスピノザは第四部定理五四で,後悔を強く否定しています。しかし高慢については第三部定理二六備考で狂気とまでいわれているのであり,それ以上に否定的に表現されているからです。いい換えればスピノザ主義者であろうとするなら,つまり自由の人homo liberであろうとするなら,高慢は最も回避しなければならない感情affectusのひとつなのです。
 たとえば,ふたつある選択肢の中からAを選んだがゆえに喜びを感じるに至ったと認識する人は,Bを選んでいたら喜びを感じることはできなかっただろうと表象しがちなのです。ですがこの表象imaginatioはBに対する正当な評価であるとは限りません。むしろBを選んでいれば,Aを選んだ場合以上の喜びを感じることができたかもしれないからです。しかしそのようなことを考慮に入れず,ただAを選択して喜びを感じたというだけでそう選択した自分のことを誇るとすれば,これはまさに自分について正当以上に評価していることになります。もちろんそれは,自己愛philautiaのために誇っているとまではいえませんから,まだ高慢であるとはいえないでしょう。しかし何について喜んでいるのかという点だけでみれば,この喜びは高慢と同一です。よってこの感情は高慢の一歩手前の感情であると僕はいうのです。
 僕たちは悲しみにだけ対処すればいいのではありません。喜びにも対処が必要な場合もあるのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする