スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

東京シンデレラマイル&否定しない場合

2017-12-30 19:04:21 | 地方競馬
 第11回東京シンデレラマイル
 僕はアップトゥユーが逃げるとみていたのですが,躓くような発馬。その影響もあったかもしれませんがその間に外からニシノラピートが楽にハナを奪いました。立て直したアップトゥユーが2番手で3番手にトゥルームーンとステップオブダンス。5番手はトーセンラークとシルキークィーン。7番手にプリンセスバリューとラインハート。9番手にフジノドラマ,10番手がグラスサファイヤ。ここまでが一団で後方の2列目にマテリアメディカ,シェアハッピー,パーティードレスの3頭。最後尾からクラカルメン,ファイトユアソング,ターフデザイナーの3頭。前半の800mは49秒7のミドルペース。
 3コーナーを回るとニシノラピートとアップトゥユーの差が自然に開いていきました。アップトゥユーは押しながら直線の入口まではついていきましたが直線に入るとギブアップ。そのままニシノラピートが楽に逃げ切って優勝。ニシノラピート以外の先行勢は総崩れになり,2着は追い込み馬による争い。外から3頭目のパーティードレスが5馬身差の2着で大外のグラスサファイヤが半馬身差で3着。
 優勝したニシノラピートしらさぎ賞以来の南関東重賞2勝目。1200mや1400mで良績を残していた馬で,このメンバーの中ではスピード能力は上位の部類。ここは200mを12秒台の一貫したペースで逃げ,その能力が最大限に発揮されたということでしょう。こういうタイプですので,展開次第では大きく崩れることもあれば快勝ということもあるという馬だと考えておくのがいいのではないでしょうか。父はサウスヴィグラス。Rapidはドイツ語で速い。
 騎乗した大井の的場文男騎手はスパーキングサマーカップ以来の南関東重賞制覇。第4回以来7年ぶりの東京シンデレラマイル2勝目。管理している大井の市村誠調教師は南関東重賞3勝目。東京シンデレラマイルは初勝利。

 第三部定理七により,現実的に存在する各々の人間は,自身の有に固執しますsuo esse perseverare conatur。あるいはその固執する力potentiaであるコナトゥスConatusがその人間の現実的本性actualem essentiamです。そして第三部定理九により,現実的に存在する各々の人間は事物を十全に認識しようと混乱して認識しようとそれを意識しています。他面からいうと各々の人間が能動的である場合も受動的である場合もそれを意識しています。ただしここでは能動actioの場合は考察の対象から外れているので,受動passioの場合だけ理解しておけば十分です。要するに現実的に存在する人間は受動的であるときも自己の有に固執するという現実的本性を有しているのであり,かつそれを意識しているのです。
                                
 第三部要請一の意味により,現実的に存在する人間は,受動によって喜びlaetitiaを感じる場合もあれば悲しみtristitiaを感じる場合もあり,また喜びも悲しみも感じない場合もあります。このとき,もしあるものに刺激されることによって喜びを感じるのであれば,その人間は自身に喜びを与えていると表象するimaginariそのもののことを否定することはありません。なぜなら,第三部諸感情の定義二により,ある人間の喜びとは,その人間の完全性perfectioがより小なるものからより大なるものに移行することであるからです。いってみればこれは,その人間が自己の有に固執する力を促進しているのであり,その人間の現実的本性によく適合したものを表象しているといっているのと同じであるからです。よって人間はそのものを否定するどころかむしろ肯定します。このことは,第四部定理八により善bonumが喜びの認識cognitioであるということからも明らかですし,第四部定義一により,その人間にとって有益であると確知されるものがその人間にとっての善であるということからも明らかでしょう。ここでは善なるものを肯定し,悪malumなるものを否定するということが前提となっているからです。
 また,喜びも悲しみも感じない場合は,表象されたものは肯定はされないでしょうが否定もされません。確かにそれはその人間のコナトゥスにとって有益ではありませんが不利益も齎さないからです。少なくとも,その人間が自己の有に固執することを阻害するようなものではないからです。
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