スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典東京大賞典&第三部要請一の意味

2017-12-29 19:05:28 | 地方競馬
 第63回東京大賞典
 ケイティブレイブとコパノリッキーが先行する構えをみせ,外のコパノリッキーの方がハナへ。ケイティブレイブが1コーナーの入口では外に切り返すような形で2番手。一時的に3番手と差が開いていましたが,前の2頭の並びが決まるとペースも緩み,掛かり気味にインカンテーションが3番手に上がり4番手にミツバ,5番手にロンドンタウン。この後ろは4馬身くらい開いてヒガシウィルウィンとバルダッサーレ。また差が開いてタービランスがぽつんと追走。少し開いてサブノクロヒョウ,サウンドトゥルーの順に続き,この後ろにコスモカットとアポロケンタッキー。サンドプラチナが後方4番手でシャドウパーティーとハーキュリーズとセイファルコンが集団で隊列の最後尾。前半の1000mは61秒3のハイペース。
 3コーナーを回るとケイティブレイブがコパノリッキーとの差を詰め始め,直線の入口では雁行に。しかし直線ではコパノリッキーが突き放し,そのまま鋭く逃げ切って優勝。負かしにいったケイティブレイブが苦しくなったところを,後方からよい脚を使って追い込んだサウンドトゥルーが捕まえて3馬身差の2着。ケイティブレイブも2馬身半差の3着に粘り込みました。
                                
 優勝したコパノリッキー南部杯以来の勝利で大レース11勝目。この馬の場合は展開が最大のポイント。今日は気持ちよく逃げることができた上に,早めにつつかれたり絡まれたりすることがなかったので,直線まで余力を残すことができ,能力を十全に発揮しての勝利となりました。これで引退して種牡馬になる予定ですが,自身の能力をどのような形で産駒に伝えていくのかは楽しみなところ。ある程度の数の繁殖相手は確保することができるものと思います。父は第48回を制したゴールドアリュールで父仔制覇。祖母の従弟に2002年に大阪杯,2005年に大阪杯と毎日王冠を勝ったサンライズペガサス
 騎乗した田辺裕信騎手は南部杯以来の大レース7勝目。東京大賞典は初勝利。管理している村山明調教師は南部杯以来の大レース15勝目。東京大賞典は初勝利。

 基本的な部分から歩みを始めます。
 第三部要請一は,現実的に存在する人間が多様な様式で刺激を受け得ることを示しています。刺激を受けることは当然ながら受動passioですので,これは現実的に存在する人間は多様な仕方で働きを受けるpatiということを意味します。また,この文言は,現実的に存在する人間の身体corpusが外部の物体corpusから刺激を受けることを想定しているように読むことができ,そのゆえにこれは人間の身体の受動様式について述べていると思われるかもしれません。しかし人間の能動と受動は,身体にあっても精神mensにあっても一律なので,これが単に現実的に存在する人間の身体だけに限ったことをいっているというものでもありません。ある人間の身体の受動はその人間の精神の受動でもあるので,こうした受動様式が多様であるということは,身体の場合でも精神の場合でも同じように妥当します。他面からいえば身体に妥当する分だけ精神にも妥当するということになります。
 次に,活動能力agendi potentiaが増大するというのは,現実的本性actualis essentiaを力という観点からみたとき,つまり実在性realitasすなわち第二部定義六により完全性perfectioという観点からみたとき,それがより大なる状態に変じているということです。したがってそれは第三部諸感情の定義二によって,その活動能力が増大している当の人間が喜びlaetitiaを感じているということです。逆に活動能力が減少するとは,完全性が小なる状態に変ずることですから,この場合には第三部諸感情の定義三によって,その活動能力が減少している当の人間が悲しみtristitiaを感じているという意味になります。
 したがって,第三部要請一が『エチカ』の全体の中で有している意味は,現実的に存在する人間は喜びを感じるように刺激されることがあるし,悲しみを感じるように刺激されることもあり,また喜びも悲しみも感じないように刺激されることもあるということです。あるいは人間は何らかの受動によって喜びを感じる場合もあれば悲しみを感じる場合もあり,また喜びも悲しみも感じない場合もあるということです。第三部定義三により,感情Affectumは身体にも精神にも適用されますので,受動が身体にも精神にも一律であることと調和します。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする