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スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

高松宮記念&移行の程度

2014-03-30 19:20:00 | 中央競馬
 絶対的な王者の引退で,新スプリント王決定戦となる第44回高松宮記念
 逃げることで良績を残していた馬が多かったのですが,そのうちの1頭,ハクサンムーンは出足が悪く後方から。まず先頭に出たレディオブオペラに譲られるような形でエーシントップの逃げに。内からコパノリチャードも上がってきて,2番手はレディオブオペラと併走に。エーシントップがわりに後ろを離したので,激しい先行争いとはなりませんでした。前半の600mは34秒5で,今日の馬場状態を勘案すれば超ハイペース。
 少しでも馬場のよい部分を通るために外に回る馬が目立った今日の中京競馬場でしたが,エーシントップは最内に。コパノリチャードは馬場の4分どころまでは外に出したので,コーナーワークでエーシントップのリードが広がり,一瞬はセーフティーリードとも思えました。しかし最後にエーシントップは苦しくなり,追っていたコパノリチャードが差して優勝。後方待機から大外を伸びたスノードラゴンが3馬身差の2着。中団から馬場の中ほどを通った人気のストレイトガールが,粘るエーシントップをクビだけ差して1馬身4分の1差の3着。
 優勝したコパノリチャードは前哨戦の阪急杯から連勝。重賞は4勝目で大レース初制覇。1200mのレースには出走経験がなく,この馬も逃げることで好結果を得ていた馬でしたので,展開面も鍵でした。不良馬場の影響で隊列がばらばらになったのはむしろ幸いしたように思います。スピード能力はかなりのものだと思いますが,スプリンターというより,もう少し長い距離でも戦える馬と思います。父はダイワメジャー
 騎乗したのはイタリアのミルコ・デムーロ騎手。日本では昨年の皐月賞以来の大レース制覇で高松宮記念は初勝利。管理している宮徹調教師は1997年の阪神3歳牝馬ステークス以来,17年ぶりの大レース2勝目。

 このような事例を持ち出した以上,僕が部屋を出た場合に,部屋の現実的本性actualis essentiaに変化が生じたと解すべきか否かを問われるでしょう。しかし僕はこの問いには答えを出しません。僕が存在して一体化していた部屋から,僕が存在していない部屋へと現実的本性が移行したとみなすことも可能ですし,僕がそのうちに存在していようといまいと,ひとつの部屋という現実的本性は,たとえばそれが取り壊されるというようなことが起きない限りは持続するdurareと考えることも可能だからです。ある一定の空間が,その内部に何を含むのかということは,その空間の本性によって決定されることではなく,外部の原因causaによって左右されます。そのとき,その外部の原因が与える影響が,どの程度まで空間自体の現実的本性に影響を与えると考えるのかは,程度の差に依拠して認識されるのです。
 たとえば,僕の身体corpusの一部を構成している1本の髪の毛が抜け落ちたとして,それで僕の現実的本性も変化したというように理解する人はまずいないであろうと思われます。ただしここでは外部の影響を視野に入れていますから,この抜け毛の原因は,たとえば新陳代謝によるものとは考えず,他人に引っ張られて抜けたというように理解してください。それでも僕の身体の現実的本性が,これによって変化したと理解する人は,もしもいたとしてもごく少数であろうと僕は予測します。
 しかしもしもこれが,1本の髪の毛ではなく,1本の腕,たとえば右腕であったとしたらどうでしょうか。この場合には僕の身体の現実的本性に変化が生じたと理解する人も多くいるのではないかと予測します。しかし実際は,髪の毛であれ腕であれ,外的要因によって僕の身体の一部を構成しなくなったということで,論理的にいうなら同一なのです。もしも右腕のあった身体から右腕を失った身体に移行するということが,身体の現実的本性の変化であると理解するのであれば,論理的には1本の髪の毛があった身体からそれが失われた身体への移行transitioも,現実的本性の移行と理解しなければなりません。この程度問題はデリケートな面を含みます。よって僕はこの問いには,哲学とは別の観点から,ここでは解答を出しません。
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