スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

マジックゴディス&ニーチェの批判

2009-03-19 19:07:02 | 血統
 2006年には中山大障害を勝ってその年のJRA賞最優秀障害馬に選出され,昨年は中山グランドジャンプで障害の大レース2勝目を飾ったマルカラスカルと,昨年のジャパンカップを勝ってJRA賞の最優秀4歳以上牡馬に選出されたスクリーンヒーローは,共に祖母にダイナアクトレスがいる従兄弟同士ですが,この母系の日本での祖先は,ダイナアクトレスの祖母となる1968年にイギリスで産まれたマジックゴディスという馬です。ファミリーナンバーは1-x
 一族最初の活躍馬がダイナアクトレス。実はダイナアクトレスは競走成績だけではなくて繁殖成績もなかなか優秀な名牝。大レースの勝ち馬は孫にあたるこの2頭ですが,初仔のステージチャンプは日経賞などに勝ち菊花賞と天皇賞で2着,さらに妹のプライムステージも重賞2勝で桜花賞で3着になるなど,活躍しました。今年の1月に東京新聞杯を勝ったアブソリュートはこのプライムステージの仔ですので,ここからも活躍馬が出て,最近になってまた活力が強まってきた一族であるといえそうです。
 ダイナアクトレスを経由しない一族からもサンプレイス,プリンシパルリバーと2頭の重賞の勝ち馬は出ていますが,今後の繁栄という観点からは,ダイナアクトレス一族がどこまで枝葉を広げられるかが最も重要だといえるでしょう。

 このようにしてスピノザの哲学における病気論というものは,自己保存の法則を示すものとしてのコナトゥスconatusという概念から始まることになります。そして僕はスピノザの哲学に則って考えていきますので,やはりコナトゥスというものを重要視するということになるでしょう。しかし一方では,この概念に対しては,ほかの哲学の立場による否定ないしは批判というものもあります。それを無視してしまうのもどうかと思いますので,ここではニーチェFriedrich Wilhelm Nietzscheの批判というものをみておくことにします。
 最も単純にいますと,ニーチェによるコナトゥスの批判というのは,この概念が反動的である,あるいは別のことばでいうなら保守的であるという点にあります。ニーチェは反動的なものを最も強く否定しますので,ニーチェの哲学からみればこれは最大級の批判であるといえるのではないかと思います。
 ではなぜコナトゥスという考え方が反動的なのでしょうか。それはニーチェによれば,それが自己保存を図るもの,いい換えれば自己に対して保身的であるようなものとみなされるからです。たとえていうなら,自らの既得権益を保護することを強く主張するのと同一の思想的背景を,ニーチェはコナトゥスのうちに見出すといっていいでしょう。
 人間は自己を保存するものではなく,自己を超克するものであるというのがニーチェの人間観でした。そしてこの自己超克という観点から,コナトゥスはそれを否定しようとする反動的なものであり,こうした考え方は臆病者の考え方であると主張したわけです。そして自己超克を目指す思惟作用をニーチェは力への意志と名付け,これをコナトゥスと対峙させたのです。
コメント
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