スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

コランディア&第三部定理五

2009-03-13 19:37:07 | 血統
 昨年11月のエリザベス女王杯を勝ったのがリトルアマポーラで,その祖母がルイジアナピット。この母系を日本での祖先まで遡っていくと,1958年にフランスで産まれたコランディアという馬に行き着きます。ファミリーナンバー9-e
           
 輸入は鎌田牧場で,この鎌田牧場と鎌田正嗣氏の名義で枝葉を広げていきました。コランディア直仔のベルワイドが天皇賞に勝ったのが1972年。リトルアマポーラはこの一族ではそれ以来の36年ぶりとなる大レース2頭目の勝ち馬でした。ただしルイジアナピットやその弟になるダイカツリュウセイ,ルイジアナピットの従妹になるマジックキスやこのマジックキスの姪にあたるアズマサンダースなど,重賞の勝ち馬は多く出ていました。こうしてみると牝馬の活躍馬が多いという印象で,これもこの一族が繁栄してきた要因のひとつといえそうです。リトルアマポーラも牝馬ですから,この馬を通じてさらに後世に子孫が広がっていくことになりそうです。
 ところで,リトルアマポーラ自身は社台グループの白老ファーム生産。母のリトルハーモニーまでは鎌田正嗣氏の生産で,生産者が社台グループに変わって大レースを勝つ馬が生産されたのは,少しばかり皮肉めいたものを感じないでもありません。ただ,白老ファームはこの一族を多く導入していますので,この一族の今後の繁栄の一翼を担っていくことだけは間違いありません。

 第三部定理六において,事物の自己保存の法則というものが一般的に言及されているということに対比していうならば,第三部定理七というのは,事物,とくに個物が現実的に存在するといわれるような仕方で存在する場合に,この個物が自己の有に固執する傾向ないし欲求というのが,この個物の本性に属するということが示されているといえるのではないかと思います。なお,現在の論考とはほとんど関係ありませんからここでは詳しい説明は省略しますが,この個物が現実的に存在するといわれるようなあり方と,そうでないあり方との相違については,第二部定理八系でスピノザが言及していますので,該当部分を読んでください。ただ,実際にある人間が病気に罹るということは,現実的に存在する個物としてのある人間が罹患するという意味においてのみ現実的には有意味であるといえるでしょうから,そうでないあり方については,ここでは詳しく考える必要はないかと思います。
 このことから,スピノザの哲学においてコナトゥスconatusといわれるものは,単にすべての個物に備わった傾向というだけでなく,すべての個物の本性に属するものであるということが理解できます。ところで第二部定義二は,事物の本性というのはこの事物そのものの存在と一対一で対応し合うことになっていますから,この本性に反するものはこの事物のうちにはあり得ないということが帰結します。このことを示しているのが第三部定理五であるといえるでしょう。
 「物は一が他を滅ぼしうる限りにおいて相反する本性を有する。言いかえればそうした物は同じ主体の中に在ることができない」。
 意味は難しくありません。もしもAがBを滅ぼし得るならば,このAとBは同一の主体の中にあることができない,いい換えれば共同してあるものの共通の本性を構成することはできないということです。
コメント
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