織部陶のジャンルに入るものがまだあります。
4.赤織部 鳴海織部の赤土の部分の技法だけでできたものです。
5.織部黒 作品全体を黒い鉄釉で塗りつぶした作品(窯の中がまだ熱いときに、作品を引き出して急冷させたもの。より きれいな黒がでる)
6.黒織部 織部黒の黒釉を全面に掛けずに、一部分を窓抜きのように掛け残し、そこに白釉を掛けた作品
7.これらのほかに、志野織部(無地織部)、絵織部なども分類されています。
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日本の「茶」の世界に器物が初めて使われたのは「天目茶碗」ですが、
その後、茶匠が登場。
村田珠光、武野紹鷗、千利休、古田織部 と代わって行く過程での織部。
戦国の槍一筋に生き抜いた武人が、時代も近世の夜明けを迎える中で、
歪んだもの、武骨なもの、大振りで活力のあるものが時代の好みを反映したのです。
ただ一碗の茶を静かに喫するという「侘び茶」の思想に、
「茶を喫する楽しみ」を加えたのが織部だったのです。
そんな目で昔の「織部陶」を見るのも楽しみです。