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陶磁器に歴史あり・木守(2)

2013-08-18 09:50:57 | 陶芸
 千利休が、楽家の初代長次郎に焼かせた茶碗をいくつか取り寄せ、

 門下の大名らに好きなものを選ばせて与えたのですが、

 柿色のこの茶碗だけが残ってしまいました。

 柿の木は、来年の実りを願って木に一実を残す(これを木守と言います)風習があり、

 利休はこの風習にかけて茶碗の銘を「木守」とし、

 自ら、終生愛用したのです。

 「木守」は武者小路千家に伝わり、家宝として、

 当主襲名の茶事に用いられました。

 さて、江戸時代の中期、武者小路千家が茶道指南を務めていた高松藩主松平家の要望を受けて、
 
 「襲名時の茶事に拝借する」ことを前提に、「木守」を献上したのです。

 松平家は「木守」を士分扱いにして知行の石を与えました。

 武者小路千家が拝借を願い出た折には、

 「木守」は高松を駕籠に乗って出発し、槍持ちを供につけて、

 京都との間を往復するという習わしが、

 江戸末期まで続いたそうです。