浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

ミシシッピ St.から(上)【ポートランド・ビールレポートその2】

2018-09-04 13:56:32 | 食べ物
到着2日目は「オ州酒ブログ」さんのビールツアーに参加。本当は土曜日はツアーを開催していないようだけどなんと個別ツアーをやっていただけることになった。ラッキー♪

まずは「Ecliptic(イクリプティック) Brewing」へ。


そもそも、このブリュワリーのあるあたりだけど行きすがら「自分一人だったら絶対来ないよなぁ」と思っていた。このあたりというのはここ10年くらいで発展してきたエリアらしくこのイクリプティック・ブリュワリーに行くには、例のWidmerから道を登っていく感じ。「ほんとにこんなところに店あるの??」と少し不安になる。



ストリートビューではこんな感じ。

右側の灰色の建物がイクリプティック。たぶんこのストリートビューは少し古くて、今ではもう少し建物が出来てはいるけどちょっと殺風景であることは変わらない。

なかなか、観光客はここまではいかないだろうなぁ、と思うところに行ける可能性があるのがツアーの良いところ。

ブログ管理者でありツアーガイドのRed Gillenさんからお話を伺いながらイクリプティック・ブリュワリーのビールを頂く。


Redさんによると、ポートランドでこれだけビール作りが盛んになったのには3つの理由があるとのこと。

1,ポートランド近郊の豊かな水源と農地

このあたりというのはマウント・フッドという山がありそこからよい水が流れてくる。ビールづくりに重要な水が確保できるということ。これは確かに実感として理解できる。ポートランドでは普通の水道水で十分に美味しい。だいたい皆さん水筒を持ち歩いていていろんなところで飲料水を補給している。更にビールに必要な麦芽やホップなんかも安定的に採れる。こういう自然環境に恵まれたということがビールづくりが盛んになった理由のひとつだそう。

2,チャレンジ精神

ポートランドでは「とりあえずやってみよう」というチャレンジ精神が根付いている。例えば若い人がガレージで「とりあえずビールでも作ってみるか」とビールを作り出したり、きちんとしたブリュワリーでも「こんな感じで新しい味を作ってみるか」と作ってみたりしている。これにより、もちろんたくさん失敗もするけど新しい、美味しい、面白いビールが出来、ポートランドビールの下地を広げていっている。

例えば、ということで聞いたのが最近のポートランドビールではHazy(霞、もや)という種類が出ているらしい。これは僕も飲んだけどこれはこれでとっても美味しかった。



この写真の真ん中のもの。イメージ的にはにごり酒みたいなものですね。

頭の固い人は「ビールが濁ってるなんて!」というかも知れないけど「いいじゃん、作ってみようよ」と作ってみて「うまけりゃいいじゃん」ということ。

3,シェアしあう風土

ポートランドではブリュワリー同士が学び合い、教えあっている。例えば近所のブリュワリーだと普通は「商売敵」な訳で、自社の秘密なんて教えられない、と思うけど、そんなこと気にせずに聞きに行ったり、聞きに来たら教えてあげたり、ということをしている。これは非常にポートランド独特の文化とのこと。(余談だけど、後日、他の場所でもこの文化について聞いた)これによって、日本語でいえば「切磋琢磨」しあってビール文化が高まっている、とのこと。

なるほど。

この3点に基づいて活発化しているのが「ビール文化」ってのがいいね。堅苦しくなく、気軽に飲めるビールってのがさ。

(続く)