古今東西一番好きなサッカー選手は?と聞かれたら、すごく迷うけど、たぶんフィリッポ・インザーギと答える。
フィリッポ・インザーギ。ニックネームはPippo。
現在38歳。サッカー選手としては、というよりスポーツ選手としてはかなり高齢。
しかも彼はセンスと言うか一瞬のスキルで勝負するタイプの選手なので得てしてこういう選手は選手寿命が短い。今まで何度も「インザーギは終わったよ」と囁かれてきた。そのたびにその声を覆してきた。誰の文句もつけようのない「ゴール」で。
インザーギが引退するそうです。
ああさびしいなぁ。もちろん年齢的にも妥当な頃だし(むしろ今までよくやった)仕方ないところがあるけど、やっぱりさびしい。
なぜ僕はインザーギのことがこんなに好きなのか、じっくり考えたことがある。
答えはたぶん「自分の強みを活かすことだけに全精力を注いだ」ところなんだろうと思う。
今のサッカーでストライカーに求められるのは「速さ」「強さ」「巧さ」の三拍子。
でもインザーギに少なくとも「強さ」は無い。一般人と比べても少し細すぎるくらいの細身の体をしている。「巧さ」も無い。ほれぼれするようなドリブルをするわけでも状況を一変させるようなパスを出すわけでもない。「速さ」は少しあるけど、その「速さ」はスピードの話じゃない。一瞬で敵の視界から消えるような速さ。
そんな彼が屈強なディフェンダー陣をあっという間に抜き去ってゴールを決めるシーンを何度も観てきたよ。
しかもさー、彼のゴールシーンというのがだいたいすごいんだよ。きれいに足を振りぬいてゴールネットに突き刺さる、とかいうゴールではなくて、なんか知らないけどボールが彼の前に転がって彼の体のどこかにあたってコロコロとゴールに転がる、とかなんだもの。なにせ彼のゴールのうち5%は右足でも左足でも頭でもなく「身体のどこか」によるものなんだから。
こういうタイプの選手ってえてして「ザ・ベストゴール」とでも言うべき大舞台での最高のゴールが案外無かったりするものだけど彼は違う。
06-07シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)で優勝を決めたリバプール戦での2ゴールとか、ワールドカップドイツ大会チェコ戦でのゴールとか、大舞台でもきっちり決めている。
特にリバプール戦のゴールすごい。ハンドの疑惑があっていまちゃんと見なおせば明らかにハンド。それでも決めちゃってるのがすごい。
個人的に彼のゴールで記憶に残っているのは06-07CL予備戦、レッドスター戦でのゴール。ちょっと説明すると彼の所属するACミランはイタリアのセリエAで強豪なので、ヨーロッパ各リーグの順位が高いチームしか出られないCLにはだいたい出る。だけどこのシーズンだけは八百長問題のペナルティで予備戦からスタート。つまりいつもはシードのチームが予選から戦わなければいけない、という状態。そんなゲームに怪我から復帰したばかりの彼がきっちり決めた。
そしてこのシーズンは決勝まで進み、相手はリバプール。これも因縁でリバプールには2年前のCLで負けていた。しかも3点差をひっくり返される逆転負け。俗にいうイスタンブールの悲劇。
そのチームを相手にインザーギの2ゴールによる2-0で勝った。
この試合はすごかったねー。
大事なところで決めてくれる。本当にすごい選手だった。
引退は残念だけどこれからの活躍(指導者になるそうです)を祈ります。
「彼はオフサイドラインで生まれた」 アレックス・ファーガソン監督
「なぜかいつもボールがピッポの足元に転がっていくんだ、不自然に。最初は偶然だと思った。でもいつもなんだ。それでこれは才能だと思った」 カーニ監督
「私の仕事は相手チームのFWがどう動きそれにどう対応するかを選手に説明するだけだ。ただ、インザーギが出場しないことは願っている」 モウリーニョ監督
「最強のFWはロナウドだ。でも一番嫌なFWはインザーギだ」 オリバー・カーン
「彼はサッカーをしていない。ただ、いつも的を得た位置にいるだけだ」
「90分中、彼は1分しか仕事をしない。そしてゲームを決める」
「アンリのプレーは記憶に残る。インザーギのプレーはゴールとしてしか残らない」
「ロナウジーニョのプレーはすべての子供が真似をする。インザーギのプレーは誰も真似できない」
この写真は本当にインザーギのゴールっぽくて好きだ。ゴール前の混戦でディフェンダーも転がってる。キーパーは防ぎきれない。そしてインザーギだけが喜んでいる。
Grazie, grande Pippo.
フィリッポ・インザーギ。ニックネームはPippo。
現在38歳。サッカー選手としては、というよりスポーツ選手としてはかなり高齢。
しかも彼はセンスと言うか一瞬のスキルで勝負するタイプの選手なので得てしてこういう選手は選手寿命が短い。今まで何度も「インザーギは終わったよ」と囁かれてきた。そのたびにその声を覆してきた。誰の文句もつけようのない「ゴール」で。
インザーギが引退するそうです。
ああさびしいなぁ。もちろん年齢的にも妥当な頃だし(むしろ今までよくやった)仕方ないところがあるけど、やっぱりさびしい。
なぜ僕はインザーギのことがこんなに好きなのか、じっくり考えたことがある。
答えはたぶん「自分の強みを活かすことだけに全精力を注いだ」ところなんだろうと思う。
今のサッカーでストライカーに求められるのは「速さ」「強さ」「巧さ」の三拍子。
でもインザーギに少なくとも「強さ」は無い。一般人と比べても少し細すぎるくらいの細身の体をしている。「巧さ」も無い。ほれぼれするようなドリブルをするわけでも状況を一変させるようなパスを出すわけでもない。「速さ」は少しあるけど、その「速さ」はスピードの話じゃない。一瞬で敵の視界から消えるような速さ。
そんな彼が屈強なディフェンダー陣をあっという間に抜き去ってゴールを決めるシーンを何度も観てきたよ。
しかもさー、彼のゴールシーンというのがだいたいすごいんだよ。きれいに足を振りぬいてゴールネットに突き刺さる、とかいうゴールではなくて、なんか知らないけどボールが彼の前に転がって彼の体のどこかにあたってコロコロとゴールに転がる、とかなんだもの。なにせ彼のゴールのうち5%は右足でも左足でも頭でもなく「身体のどこか」によるものなんだから。
こういうタイプの選手ってえてして「ザ・ベストゴール」とでも言うべき大舞台での最高のゴールが案外無かったりするものだけど彼は違う。
06-07シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)で優勝を決めたリバプール戦での2ゴールとか、ワールドカップドイツ大会チェコ戦でのゴールとか、大舞台でもきっちり決めている。
特にリバプール戦のゴールすごい。ハンドの疑惑があっていまちゃんと見なおせば明らかにハンド。それでも決めちゃってるのがすごい。
個人的に彼のゴールで記憶に残っているのは06-07CL予備戦、レッドスター戦でのゴール。ちょっと説明すると彼の所属するACミランはイタリアのセリエAで強豪なので、ヨーロッパ各リーグの順位が高いチームしか出られないCLにはだいたい出る。だけどこのシーズンだけは八百長問題のペナルティで予備戦からスタート。つまりいつもはシードのチームが予選から戦わなければいけない、という状態。そんなゲームに怪我から復帰したばかりの彼がきっちり決めた。
そしてこのシーズンは決勝まで進み、相手はリバプール。これも因縁でリバプールには2年前のCLで負けていた。しかも3点差をひっくり返される逆転負け。俗にいうイスタンブールの悲劇。
そのチームを相手にインザーギの2ゴールによる2-0で勝った。
この試合はすごかったねー。
大事なところで決めてくれる。本当にすごい選手だった。
引退は残念だけどこれからの活躍(指導者になるそうです)を祈ります。
「彼はオフサイドラインで生まれた」 アレックス・ファーガソン監督
「なぜかいつもボールがピッポの足元に転がっていくんだ、不自然に。最初は偶然だと思った。でもいつもなんだ。それでこれは才能だと思った」 カーニ監督
「私の仕事は相手チームのFWがどう動きそれにどう対応するかを選手に説明するだけだ。ただ、インザーギが出場しないことは願っている」 モウリーニョ監督
「最強のFWはロナウドだ。でも一番嫌なFWはインザーギだ」 オリバー・カーン
「彼はサッカーをしていない。ただ、いつも的を得た位置にいるだけだ」
「90分中、彼は1分しか仕事をしない。そしてゲームを決める」
「アンリのプレーは記憶に残る。インザーギのプレーはゴールとしてしか残らない」
「ロナウジーニョのプレーはすべての子供が真似をする。インザーギのプレーは誰も真似できない」
この写真は本当にインザーギのゴールっぽくて好きだ。ゴール前の混戦でディフェンダーも転がってる。キーパーは防ぎきれない。そしてインザーギだけが喜んでいる。
Grazie, grande Pippo.