浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

善きもの

2011-03-17 11:23:02 | 
クリント・イーストウッド監督の「インビクタス」と言う映画があるじゃないですか。

アパルトヘイトのあった南アフリカのラグビーチームが奇跡的な勝利を勝ち取る、と言う実話に基づいた映画。

この映画の中でモーガン・フリーマン演じるマンデラ大統領がラグビーチームメンバーに一編の詩を贈る。その詩はマンデラ自身が投獄中に心の支えにしていたもの。

「善きもの」、例えば映画だったり音楽だったり、そんな大仰なもので無くても例えば恋愛だったり、日頃の何気ない優しい言葉だったり、と言うのはすごいパワーを持っていて、時にそれは奇跡に近い偉業を成し遂げる原動力になる、、、ということがこの映画でイーストウッドが伝えたかったテーマの一つなんだろうと思う。

(このあたりはライムスター宇多丸が素晴らしい評論をしている。→ザ・シネマ・ハスラー「インビクタスー負けざる者たちー」)

奇跡を起こす、とまで行かなくてもそういうことで少しでも癒されるところは確実にあるしね。

つーことで最近、寝る前にちまちまこの本読んでます。



よく知らずぱっと買った本なんだけど、初版は1968年、ということは約40年前か。著者のことはよく知らないけど、どうやら声楽家でパリにいた女性らしい。

オムレツだのポトフだのいろいろな料理に関するエッセイ。

さすがに40年前の本だけあって時々表現が古くて、それがまたノスタルジックでいいんです。

バターを「バタ」なんて言っていたりね。

もちろんパスタは「パスタ」はパスタじゃなく「スパゲティ」。

「湯気の立つ熱いスパゲティを深めの皿に盛り、上に大サジですくったバタを3個あちこちにのせて、そのまま食卓に出す。食卓に用意してあった粉チーズをふりかけ、大きなスプーンとフォークを使ってスパゲティをもち上げるようにしてパタとチーズをよくまぜあわせ、すきなだけ各自のお皿によそってたべる。」

なんて、今はパスタの種類なんてそりゃもうたっぷりあるけど、改めてそう言われると「あ、それはそれで美味しそうだな」と思う。

いつでも美味しいものは「善きもの」だと思うなぁ。
コメント
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