「頭が痛いので薬を飲んで押さえている」という方が来られました。
診ると肝虚が出ていて、第7頚椎と第1胸椎の間でズレが起っていました。
頚椎が右側にずれるように歪んでいましたので、とりあえず経絡を整えながら、歪みが酷いので巨鍼療法のほうがいいことを話ましたら、
「いいですよ。何でもしてください」と言う。
そこで巨鍼で歪みをとり、
「どうですか頭痛は」と聞くと、
「はい。治りました」と返事が返ってきた。
脊椎が右に(C型に)曲がっている場合は、肝臓からの経筋腱収縮牽引が起っている場合が多いので、脊椎の歪みも治しながら肝臓も整える巨鍼が有利になるわけです。
それが巨鍼療法の特徴で、弛緩作用での即効性と、臓腑機能の回復作用で治療効果の持続性がいいわけです。
この方は病院で、心臓に問題があると言われている方だったので、脊椎上部は多分左に曲がっているのだろうと思っていたのですが、診たら右に曲がっていたので、体に出た歪みに従って治療したらいい結果になりました。
頭痛の出る人の多くは、心や心包が原因している場合が多いのですが、この方の場合は肝→脊椎の歪み→頭部への血行不良か神経伝導障害による頭痛と思われました。
普段ですと、頭痛なら真っ先に六経分類で考え、六経の何れかを使って一穴鍼法で治すのですが、今回のように薬で抑えている場合は、その判断が難しくなりますので、脈診と脊椎診の結果に従って治療したわけです。
このような治し方なら、カイロや整体でもいいのではないかと考える方もいると思いますが、骨格を整えるだけでは再発の可能性が高いので、巨鍼で肝臓も一緒に整えるわけです。