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米労働コスト4.9%増嫌気、NYダウ63ドル安ー学校で教えてくれない経済学

2006-09-07 14:18:05 | 経済学
不安心理ほど相場を冷やすものはないが、米労働省が、今年4~6月の米単位労働コストが先に出した4.2%増を4.9%増への上方修正を発表したあと、インフレ懸念、次回FOMCでの利上げ再開を懸念して、9月6日のNYダウは前日比63ドル、0.6%値下がりした。

NY原油先物相場が、この日もバレル1.10ドル値下がり、67.50ドルで取引された。本来なら原油の値下がり傾向を歓迎して株価を押し上げる材料だが、賃金上昇幅がサプライズだったようで、利上げ懸念が青菜に塩でマーケットは腰砕けになった。

原油の高止まりも不安心理を増幅させるが、賃金上昇率が上がれば、労務費がかさむ。労務費を売り値に転嫁するから商品の値段が上がる。値段が上がれば売れ行きが落ちる。売れ行きが落ちれば景気が悪くなる。

7月の卸売り物価指数と追いかけて出された消費者物価指数が共に予想を大きく下回り、次回FOMC会合では利上げなしとみて株価上昇を下支えしてきた。労働コストの伸び率が4.9%と聞くと寝た子を起こされたような気になって、利上げが心配になってきたのだろう。

一方、米国の中央銀行にあたる米FRB(連邦準備制度理事会)は、この日、地区連銀の景気動向をまとめた俗にいう「beige book」を発表した。それによれば、エネルギーコストなどコスト上昇が認められるが製品価格への波及は目だって進んでいないと指摘している。

NYダウの今日の値下がりには、通信最大手のIntel株が、10,500人の大幅人員カットを発表したあと嫌気して、3.4%値下がりしたことも地合いを悪くしたと今朝のWSJ紙は指摘している。

NY為替市場では、ドルが買われ、1ユーロ=1.2808ドル、1ドル=116.63円で取引された。金相場はこの日は5ドル下げ643ドルで取引されたが、相場の流れとしては、投機資金が原油から再び銀や金などに還流してきているとWSJ紙は紹介している。

お金は臆病な生き物である。少しでも安全なほうへ安全な方へ居場所を移す。相場の特徴のひとつとして、相場が下がりたがっている時は、好材料を無視して悪材料に反応しやすい。相場が上がりたがっている時はその逆で、悪材料を無視して、好材料に反応しやすい。

ひとの健康も相場と同じである。ひとたび不安心理にかられると治る病気も治らなくなる話をよく聞く。患者が不安になりだすと、どんな名医でもお手上げで、治る病気まで治らなくなるそうだ。たかが相場、されど相場。所詮は人が動かす世界である。(了)

江嵜企画代表・Ken

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