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ミドリ色の屋根は永遠に~René Simardに首ったけ~

ルネ・ファンのルネ・ファンによるルネ・ファンのためのルネ・ブログ シマ姉のルネ・データ・バンク

ルネがイメージ・キャラの「時代」シリーズ②

2009年05月17日 | ルネと中一時代
    PremierDAM報告<その後>

 「ゴールデン・ウィークに行ったカラオケ店で、ルネの『ミドリ色の屋根』が配信されていなかった★」と過去ログで報告いたしました。
 しかし、どうしても諦めきれず、再度「DAMとも」でPremierDAMを調べました。そしたら何と!過去ログで紹介いたしました水秀さんだけでなく、しろぐみさんという女性が「ミドリ色の屋根」を歌って、「DAMとも」で公開していらっしゃいました! それも4月27日投稿、5月4日公開!! 私がカラオケに行ったのは5月3日でしたから、同曲が配信されなくなってしまったのではなく、私が行ったカラオケ店に配信されていなかっただけのようですね。…というのも、水秀さんもしろぐみさんもT都の方で、私はT県在住。地域や店舗によって配信されている曲が変わるそうですので、事前にカラオケ店に問い合わせて行けば、私のようなことはないと思います。カラオケ本舗まねきcatはトイレがきれいで店員さんも感じが良くて気に入っていたのですが、別のカラオケ店を開拓し、夏にでも再度チャレンジするつもりです(爆★) …というわけで、やんばるQさん、またお付き合いよろしくね~~っ!!

 そして、この記事をお読みになった方、「カラオケに行ったら『「ミドリ色の屋根』があったよ!」とか、「○○店に入ってたよ♪」など、情報をお寄せいただければ幸いです。

 また、「ミドリ色の屋根」があった時は、是非是非リクエストして歌ってくださいませ! リクエストが増えれば、配信される地域や店舗も増えるはずです。どうぞよろしくお願いいたします。



 さて、ルネ・シマールと山口百恵がイメージ・キャラクターだった「中一時代」の臨時増刊号は、過去ログで何度も紹介してまいりました。それらの記事を紹介した頃は、画像をアップし始めたばかりで技術が伴わず、スキャナーで取り込んだままの画像を使っていましたが、今では必要な部分だけを取り出してアップできるようになりました。以前は紹介できなかった記事をアップしてみたいと思います。



 昭和50年度(1975年)の「中一時代」を書店で年間購読予約をすると「うわさのルネのプレゼント」がもらえました。内容は、ルネのサイン入り万年筆(3年間保証)「ルネ・シルバー」と百恵とルネのプロマイドつき「中一手帳」のセット。今回は臨時増刊号に掲載された広告を紹介いたします。なお、すでに過去ログで紹介した「ルネ・シルバー」に続いて、「中一手帳」についても後日記事にしたいと思います。



キミはもうもらったかい? うわさのルネのプレゼント!!

「中一時代」はすごくたのしくためになる雑誌ですョ

「中一時代」には、スターの話題や特集記事もいっぱい。これを知らなきゃクラスのVIP(重要人物)になれないって情報ばかりなのだ。カナダにも、こんな雑誌があったらなー。……ルネ

「中一時代」には、テストのときなんかにとっても役にたつ学習付録やスターの話題がいっぱいのすばらしい付録が毎月毎月ついているのよ。……百恵


これがうわさのプレゼントだッ!!

ルネや百恵ちゃんはもちろん、スターのプロマイドがいっぱい。ポケットに入れて持って歩こう。

スターのことがなんでもわかるよみんなの話題の中心になろう。

ルネのサインがはいってる、かっこいい万年筆。ちょっとおとなの気分になれるよ。

キャップをとれば、銀と黒のツートンカラーに早がわり。



 このルネ・シルバー、書き味はイマイチだったとのことです。

 1970年代、中学校入学祝いは「万年筆」というのが定番でした。今は手軽で書きやすく、安価な筆記用具がたくさん出回っていますが、当時は鉛筆が中心で、ボールペンも色は黒、赤、青くらいしかなく、シャープペンシルも発売されて間もなかったので高級品でした。金属製で作りもしっかりしていました。ちなみに私の初めてのシャープペンシルは、小学校卒業祝いに町内の育成会でいただいたものでした。イラストを描くのにも、ミリペンなんて便利な物はなく、ペン軸にペン先を付け、墨汁やビン入りの製図用インクでかいていました。今みたいに印刷された漫画原稿用紙なんて無かったので、ケント紙や上質紙に針で穴を開けて枠をかき、トーンも手書きが当たり前だったという、思えば懐かしい古き良き時代です。

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ルネがイメージ・キャラの「時代」シリーズ①

2009年05月10日 | ルネと中一時代
 今日は母の日。
 shimazaki家は入院中の義母のお見舞い(毎日行ってるけど)に行きました。そのため母の日の家庭内イベントは縮小。今後のブログ記事も、しばらくの間は画像中心にしていきます。でも、1ヵ月後の6月10日に迎えるブログ開設4周年目に向け、気合いを入れて「継続は力なり」で頑張ります!



 さて、今回からシリーズで紹介いたしますのは、ルネ・シマールと山口百恵がイメージ・キャラクターだった、「中一時代」を初めとする旺文社の学習雑誌「時代」シリーズのルネ記事です。過去ログでも何度か紹介いたしましたが、その他に、このところ古本屋さんやYahoo!オークションで入手したコレクションが増えていますので、その中から紹介していこうと思います。
 
 今回の画像は、「中一時代」1974年9月号に掲載されたルネ・シマールの記事です。ルネが第3回東京音楽祭世界大会でグランプリとフランク・シナトラ賞を受賞したことをうけて、ルネを紹介する内容になっています。ちなみに、同じ月の「中二時代」の記事(※1)は過去ログで紹介済みです。また、ルネがイメージ・キャラクターだった「トンボ学生服」、「中学ばらの問題集」の広告(※2)も紹介しています。

※1「ルネの家と青い鳥とモントリオール讃歌」
http://green.ap.teacup.com/rene_simard/187.html
※2「ルネがイメージ・キャラの広告」
http://green.ap.teacup.com/rene_simard/188.html


森と湖の国(カナダ)からきたスーバースター
            ルネ=シマール
 ルネ=シマール---小さな妖精---カナダ生まれのいたずら天使 6月30日の第3回東京音楽祭でグランプリ受賞 思いもしなかった うれしい発表に少年の瞳からひとすじの涙がこぼれた
 そのよろこびを胸にひめ 日本の空にいま少年の歌声はひびく 13歳 かわいいスーパーアイドルの誕生だ



……日本ってどんな国かなぁっていろいろ考えていたけど、きてみてびっくりしちゃった。人と車がいっぱいなんだね。それに大きなビルや高速道路がたくさんあって、ダイナミックな国って感じがする。
 ぼくの国? ぼくの国は森とか湖とかあって、のんびりしたところだよ。赤い屋根の教会なんかがあってサ。
……いま13歳。 日本なら中学2年生なんだけど、学校には行っていないんだ。仕事がいそがしくってね。だから個人教授を受けてるんだ。
……でも成績はいいんだよ。歌手だからって負けられないからね、
……せっかく日本にきたんだから、日本の友がほしいな。




■ギィ・クルティエ氏(現在のルネのマネージャー)の結婚式のとき、ひとりでオルガンをひき讃美歌を歌っていたルネ。
■その美しい歌声に魅せられたクルティエ氏が、モントリオールで、ルネのデビュー曲『鳥』をレコーディングしたのが3年前だった。
■バクハツ的な『鳥』の大ヒットで、いちやくカナダのスーパーアイドルになりテレビ、映画とひっぱりだこ。
■村井邦彦、山上路夫のコンビによる『美しい星』という曲もカナダでビッグヒットをつづけている。
■そんなルネが、第3回東京音楽祭への参加をきっかけに、来日を計画。
■そして東京音楽祭ではみごとグランプリを獲得。ルネの前途にはかがやかしい明日がまっている。

▲ルネは7人兄弟のまん中。だけど一番のあまえん坊。だからおとうさんも一緒に来日。


右上:”日本は花がいっぱい”と思っていたのに、車と人ばかりの東京にちょっぴりがっかり。
右中:ルネの愛らしさにもう女の子のファンがいっぱい。
右下:すでにテレビ出演のスケジュールはギッシリ。カナダにいるときより数倍忙しい。
左上:日本の女の子? わかんない。だってまだ13歳だもの。
左中:シナトラおじさんの祝福に、つい大きな涙がポロリ。


ルネのファンクラブ/メイプルメイツ
 〒108東京都港区芝浦3-20-4
 株式会社T・CJ・内 ℡03-454-6651-4

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ルネ特別出演のミステリー小説(番外編)

2009年05月05日 | ルネと中一時代
 5月5日はこどもの日。端午の節句であると同時に、息子の誕生日です。
 去る2日に誕生日プレゼントとして購入した児童用の自転車は、miyataのTRY RUNNER。色はシックな赤。マウンテンバイクっぽいデザインで6段ギア。最初は青が欲しいと言っていた息子ですが、ほぼ一目惚れ状態で決めていました。帰宅するなり庭で乗り回し、翌3日は近くのグリーン・パークでチャリンコ暴走族と化す始末。朝起きるとすぐに庭で乗るほどの気に入りっぷりに、贈ったこちらも嬉しいやら、心配やら…ちょっと複雑です★

 そしてPremierDAM報告です★
 予約して行ったのに~~っ! PremierDAMの部屋だったのに~っっ!! 真っ先に探したら無かったので、フロントのおにいさんに調べてまでもらったのに★ 「ミドリ色の屋根」がなかったよーーーーーっ!!!!!!号泣★ 運転中の車中でも発声練習を兼ねて、「ミドリ色の屋根」と”Non ne pleure pas”を歌って準備万端だったのにーーっ★ さらに、前回の記事で書いた曲までことごとく無かったため、やけくそで「愛の讃歌」、「バラ色の人生」、「さくらんぼ実る頃」をフランス語で歌ってしまいましたよ。ちなみに、やんばるQさんは中国語の歌♪ 
 リクエストが少ないので配信されなくなってしまったのか、カラオケ屋や地域によって違うのか? 

 「ルネの『ミドリ色の屋根』有ったよ」という方、是非ご一報ください!!  

     ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪


 旺文社の学習雑誌「中一時代」の1974年11月号に掲載されたミステリー小説「潮騒の中の少女」は、ルネ・シマールを主人公に設定して書かれたものでした。

 作者の「せき らん」さんは、過去ログで度々紹介しています臨時増刊号にも「推理読物 交通少年安全団」という作品を掲載していました。また、このファト・ミステリーの中で使用された写真は、力丸恒美氏によって撮影され、「時代」シリーズの広告や折り込みポスターにも使われていました。今回の記事のために調べてみたら、写真のルネが着用しているコスチュームから、全て、臨時増刊に掲載された記事の取材の際、撮影されたものであることが判明いたしました。

 このフォト・ミステリーの中でルネが着ているコスチュームは3着。本編の写真では白黒でわかりませんが、「黄色のタートルネックに黒っぽいVネックのセーター」、「白のTシャツにインディアン・ジーンズ」、そして「ピンクのジーンズ上下にこげ茶と白のタートルネック」の3着です。


 まず最初のシーンで着用している「黄色のタートルネックに黒っぽいVネックのセーター」の写真は、「中一時代」の広告にも使われていました。


▲「中一時代」の広告より


▲「中二時代」の折り込みポスター


▲少女と一緒に映っているインコはポスターのインコと同じ個体のようです

 
 ルネがお土産を買いにタクシーで出かけるシーンで着ているのは「白のTシャツにインディアン・ジーンズ」。でも、ペット・ショップのシーンでは「ピンクのジーンズ上下にこげ茶と白のタートルネック」着ています。これは構成者のうっかりミスですね。

 この「白のTシャツにインディアン・ジーンズ」の写真では小さくて見づらいのですが、Tシャツは日本のルネ・ファン・クラブ「メープル・メイツ」のオリジナルTシャツです。臨時増刊に掲載された記事「一本足打法, ボク知ってるよ!!」の取材時に撮影されたものを使っているようです。何となくはしゃいでいる感じに見えるルネは、大好きな野球観戦に行ける嬉しさからなのでしょう。


▲当時スター選手だった憧れのON(王と長島)とルネ

※過去ログ「ルネは野球が好き」
http://green.ap.teacup.com/rene_simard/156.html






▲「中一時代 臨時増刊」の折り込みポスター


 ルネの記事やポスター、ピンナップ等は、来日時やカナダでの同じ取材で撮影されたと思われる、同じコスチュームで別アングル、別ポーズものが数多く存在しています。私のコレクションはほとんどが切り抜きなのでわかりませんが、掲載誌や掲載号の発売年月日を調べると面白いかもしれませんね。

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ルネ特別出演のミステリー小説(後編)

2009年05月02日 | ルネと中一時代
 今日から待ちに待った5連休symbol1 小旅行は先週末に済ませたshimazaki家。今日は息子の誕生日プレゼントを買いに出かけます。リクエストは自転車。バースデーケーキも予約してこないと…。5月と6月は記念日ラッシュのため、母の日も含めてプレゼントを選んでこなければなりません。しかし、自分のものをゲットすると、途端に「早く帰ろう」と言い出す息子がどこまで付き合ってくれるかが心配です★

 そして明日は、やんばるQさんとカラオケ本舗まねきcatで「ミドリ色の屋根」を歌ってきますsymbol7 今回は、しっかりPremierDAMの部屋を予約しておきました♪ 仏語で”Non ne pleure pas”も歌う予定です! アニメ「光の伝説」の主題歌で妹ナタリー・シマールの「5月の手紙」を、また、カーペンターズの「遙かなる影(Close to you)」で仏語版”Près de toi” にも挑戦したい~guitar 


     ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ 


 旺文社の学習雑誌「中一時代」の1974年11月号に掲載されたミステリー小説「潮騒の中の少女」は、ルネ・シマールを主人公に設定して書かれたものでした。作者は「せき らん」さん。このファト・ミステリーのために撮影された力丸恒美さんの写真は、「時代」シリーズの折り込みポスターにも使われていました。


 来日公演にK市を訪れ、殺人事件に巻き込まれてしまったルネが出会ったペット・ショップの不思議な少女。そして、この殺人事件の真相は如何に?!



ルネ・シマール 長谷直子が特別出演 フォト・ミステリー

 ほんとうに死ぬかもしれない……空いっぱいに星がちらばり、かすかに吹きぬける潮風が、ルネの心をここちよくとおりすぎた……
     潮騒の中の少女

 作/せき らん 写真/力丸恒美 構成/石垣好晴


 ルネ・シマールの日本公演は、この夜を最後にすべておわった。予想をはるかにうわまわる大盛況で幕をとじたのだ。
 午後七時半、ルネはひとり会場をでて港へむかった。
”死ぬかもしれない……”とつぶやいたとき、ひっしにひきとめようとした直美の姿を思いうかべながら足を早めた。
”ほんとうに死ぬかもしれない”
 空いっぱいに星がちらばり、かすかに吹きぬける潮風が、ルネの心をここちよくとおりぬけていった。



 埠頭の先端には先客があった。ルネはその人影にむかって足を進める。
「こんばんは。だいぶ待ちましたか?」
 ルネの静かな声に、その人影はくずれた。少女は、いかにも強そうな大きな犬をつれていた。
「ああ、その犬ですね。ムッシュ佐伯をかみ殺したのは」
 話の内容とは逆に、ルネの口調はおだやかだった。
「あなたは知っていたのですか?」
 少女はうめくようにいった。
 「ぼくは、あなたに三度お会いしているといいましたね。最初は、二日前のこの場所です。あなたは鳥を肩にとまらせて海をながめていました。その日、一人の男が両眼をえぐられて溺死するという事件が起きました。……二度めは、ムッシュ佐伯が犬をひき殺したときです。あのとき、事故のようすを見ていたあなたをみかけました。そして、その夜、佐伯は殺されました。その殺害現場で三度めのご対面というわけです。もちろん三度ともあなたは気づかなかったでしょうが……」
 少女のからだが、ルネの前面にかすかに移動しはじめていた。
「最初の被害者が狩猟会の会長で、二人めは犬をひき殺した佐伯運転手、そして今、動物は人間のぎせいになってもしかたがないといったこのぼくを殺そうとしている。あなたは動物たちのかたきをうっているつもりですか?」
「ええ、そのとおりだわ。たとえ鳥一羽でも、うばった命の代償には、生命をもってつぐなうべきです!」
「それにしても殺されるとわかっているのに、なぜ、なぜここにきたのです…?」
「わかりません。ただ、あなたに自分のまちがいを知ってほしかったのかもしれない……」
「わたしはまちがっていません。それは動物たちがいちばんよく知っているはずです。あなたは自分が犯した罪のつぐないをしなければならないのです!」
 少女のヒステリックなさけび声と同時に、犬のからだが空をとび、ルネをめがけて弧をえがいた。身をかわす間もなくルネのからだが地面にたたきつけられ、その上に巨大な猛犬がのしかかっていた。犬が吹きだす荒い息が、ルネの顔面をたたき、不気味な牙がルネのしなやかな首に迫っていた。だが、どうしたことだろう? 犬はルネのからだにのしかかりながらしきりに尾を振りはじめ、しかも、ルネの顔をじゃれつきながらなめまわしはじめたのだ。
「ど、どうしたの!? いったいどうしたっていうの! その人は、あなたたちの仲間を残酷な方法で殺したのよ。なぜ、なぜかたきをとらないの!?」
 信じられないできごとに、少女は狂乱状態になっていた。
「あなたに話したことは、すべてあなたをためすためのつくり話です。動物を愛する気持ちは、あなたにまけないくらいもっているつもりです。それをいまこの犬が証明してくれました。動物にはわかるんです。動物を愛する人間かどうかということが……」
 ルネの足もとを、犬がしきりにはしゃぎまわっている。
「あなたは動物たちの生命は大切なものだといいましたが、それなら、あなたがうばったふたりの人間の、生命の尊さにも気づいてほしいのです。鳥や犬たちだけではなくて、人間も同じように尊いということを、わかってほしいのです。」
 少女はだまってうつむいていた。
「ぼくは、あす、カナダに帰ります。もう二度とあなたに会うこともないでしょう……」



 潮騒の音がひろがる中を、ルネはゆっくりと少女に背をむけた。人影もない港に、どこからか歌がきこえている。
   もし、離れていった鳥が戻ったら
   きみのとなりの岸辺で
   僕は鳥にいうよ
   きみが鳥をいかに愛していたかと……

 翌日、ルネを載せた飛行機は無事に羽田をとびたった。
 ちょうど、その時間、K市の町はずれにある警察署の階段を、ひとりの少女が登っていった……。


     ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
 

 さて、ルネ主演のミステリーはいかがでしたか? 
 ちなみに、物語の最後に出てくる歌は、ルネ・シマール・ファンならすぐわかる、ルネのカナダのデビュー曲”L'oiseau(鳥)”の一節です。作者も心憎い洒落た演出をしたものですね。また、ルネを襲う大型犬の写真は、偶然にもルネが可愛がっていたジュジューヴに似ています。



※YouTube映像”Rene Simard-L'oiseau('70)”
http://www.youtube.com/watch?v=o1opu69iGag&feature=channel_page

※物語に使われた”L'oiseau(鳥)”の一節

Si jamais je rencontrais le bel oiseau
もしきれいな鳥に会うことがあったら
Qui s'est envole s'il revient de son voyage
もし離れていった鳥が戻ったら
Tout pres de toi le long du rivage
君のとなりの岸辺で
Moi vois-tu je lui raconterai
僕は鳥に言うよ
Combien pour toi je sais qu'il a compte
いかに君にとって大事であったか
C'est l'oiseau que tu aimais
君は鳥を愛していた
L'oiseau jaloux je l'ai devine
僕は鳥がねたんでいたのを知っているんだ
S'il revient de son voyage
もし鳥が戻ったら
Je lui dirai que tu l'attendais
君が待っていたことを伝えておくよ



 話は変わりますが、新型インフルエンザが心配ですね。今回は毒性の強い鳥インフルエンザではなく、毒性の弱い豚インフルエンザであるとはいえ、世界中で感染者が増加の一途をたどっています。ルネ・シマールの故郷カナダでも、感染者が新たに15人見つかり、昨日までに確認された感染者が34人に達するという非常事態。幸いにも日本では、まだ新型インフルエンザの感染者は見つかっていませんが、油断は禁物。お互い十分に予防に努めましょう。

 それでは皆さま、充実した連休をお過ごしくださいませ。
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ルネ特別出演のミステリー小説(中編)

2009年04月25日 | ルネと中一時代
 旺文社の学習雑誌「中一時代」の1974年11月号に掲載されたミステリー小説「潮騒の中の少女は、ルネ・シマールを主人公に設定して書かれたものでした。作者は「せき らん」さん。このファト・ミステリーのために撮影された力丸恒美さんの写真は、「時代」シリーズの折り込みポスターにも使われていました。

 「前編」として紹介いたしました前回のあらすじは、来日公演でK市を訪れていたルネが殺人事件に巻き込まれてしまうという内容でした。



 季節は秋、この雑誌が発売された1974年の秋に来日はありませんでした。写真は2回目の来日時に撮影されたということがわかりました。また、ルネが来日中、1カ所で3日間も連続で公演するということは到底無理なことでしたが、ルネが3日間の公演を行う大都市で、第三埠頭まで備えた大きな港のあるという設定のK市とは、どこかモデルになる都市が存在するのでしょうか? 夕方の公演を行った翌日にカナダに出発できる場所にある都市…。成田空港は1978年5月20日開港ですから、1974年当時は羽田だけが、カナダに出港できる唯一の国際空港でした。完全なる創作でも、推理してみるのも楽しいですね。でも、お付きの運転手が殺されているのに事情聴取もなく、公演は中止にならないし、マネージャーもつかずに知らない異国の地で、ファンにかこまれずにお買い物できてしまうというのも不自然ですが、「名探偵コナン」ばりのルネの推理と行動力をお楽しみいただきたいと思います。

 さて、中編の今回は、どんな展開になるのでしょうか?!



ルネ・シマール 長谷直子が特別出演
                 フォト・ミステリー


 ほんとうに死ぬかもしれない……空いっぱいに星がちらばり、かすかに吹きぬける潮風が、ルネの心をここちよくとおりすぎた……
     潮騒の中の少女

 作/せき らん 写真/力丸恒美 構成/石垣好晴

 翌日、直美がむかえにきたのは、午後一時の時報がなってすぐのことだった。市の中心までタクシーを利用して、街中を歩き始めるころには、昨夜のショックも消え、ふたりの表情には明るさがもどっているかにみえた。ルネはカナダにいる兄弟たちへのおみやげ選びに夢中になり、一時間ほどがまたたくまにすぎていった。
 直美は、腕時計に目をやり、もうそろそろ会場へむかおうかと、ルネに声をかけようとして、ふと、そのことばをのみこんだ。ルネがある店の前に立ち、じっとその店内に視線をくぎづけにしている。その店はペット・ショップ、いわゆる小動物を売っている店であった。
「ルネ、いったいどうしたの?」
 そんな直美の声を背にして、ルネはゆっくりとペット・ショップに入っていった。
「いらっしゃいませ……」
 店の奥からかぼそい声がきこえ、人影がゆらいだ。
 ルネがみつめていたのは、その声の主、ひとりの少女だった。
「……ナオミ、あなたには、すでに三度ほどお会いしています、と通訳してください。」
 直美は、ルネの奇妙な態度とわけのわからないことばにとまどいながらも、そのとおりに日本語に訳して少女に伝えようとした。すると、少女はかすかな笑いをうかべながら、あざやかなフランス語を話しだした。
「私はフランス語がわかります。でもあなたとお会いするのははじめてですが……」
 ルネと直美は、驚いたように顔を見合わせた。少女のおもかげには、どこか日本人ばなれしたかげがあった。
「そうですか。それではぼくの思いちがいかもしれません。それにしてもあなたのフランス語はみごとです。」



 ルネはゆっくりと店内を歩きながら、なにか考えているようすだった。突然。
「ところで、ぼく、まもなく自分の国へ帰るのですが、できれば、日本にしかいない動物をつれて帰りたいのですが、相談にのっていただけませんか?」
 ルネのことばをききながら、少女は、左右にならべられたオリのなかの動物たちにいとおしげに手をさしのべていたが、
「もうしわけありませんが、それはできません……」
「日本の動物を、外国につれていって、ものめずらしさの対象とするために、かわいい動物たちをあなたにゆずるわけにはまいりません」
 少女は、ほとんど無表情にそういいきった。
「わかりました。あなたがそういうだろうということは予想していました。ぼくもカナダではずいぶん動物たちを殺したり傷つけたりしましたから。鹿をつかまえそこなったはらいせに、犬を棒でなぐって殺したり……。まあ、その意味ではその意味では動物をかう資格などないかもしれません。
 でも動物は人間のために生きているんだから、多少、ぎせいになってもかまわないと思いますがね」



 直美は、びっくりしてルネの顔をみた。いったい何をいいだすのか? すくなくとも直美が知っているルネは、動物を殺すことはおろか、いじめることすらできないやさしい心の持ち主のはずだ。それが平然とおそろしい告白をしている。
 ルネのことばをきいた少女の態度も不可思議だった。底光りする両眼を見開いて、心なしか唇をふるわせている。
「人間の楽しみのためには動物たちをぎせいにしてもいいとおっしゃるのでいか」
「ええ、だってしかたがないと思いますよ」
 その眼光だけがギラギラかがやいている少女の心の中をさぐるように、ルネはいいはなった。
「ルネ、そろそろ会場へいかないと……」
 直美は、まるで、一刻も早くこの場から逃げ出さなければ不吉なことでも起こりかねないといったようすで、すでに入り口のほうへあとずさりしていた。
「ああ、わかったよ、ナオミ……。それでは、きみ、かってなことばかりしゃべってしまったけど気にしないでください。さようなら」
 と、少女に別れをつげて入り口のほうへいきかけたが、ふと思い出したようにいった。
「そうだ、ナオミ、今夜ステージがおわったら、ぼく港へ散歩にいきます。日本最後の夜ですからね。このまえいった第三埠頭のところにもう一度いってみたい」
「なんですって! 今夜はステージがおわったらだいじな打ち合わせがあるはずでしょ。なにをへんなこといいだすの」
「まあいいから。とにかく会場にいそぎましょう」
 直美は、あきれたというようにルネをにらみ、口をつぐんだ。そしてふたりは、少女の視線を背にうけながら、ペット・ショップをでていった。(後編に続く)


 ルネの彼らしからぬ発言と、ミステリアスなペット・ショップの少女。ルネの活躍と殺人事件の意外な結末に乞うご期待!
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