柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

葬儀の現場でのグリーフ対応とは?の質問に・・・

2012年10月28日 | 悲しみのケア
こんな質問を時々受けます。

私の答えは、いつも「優しさだけよ」

家族を亡くした人たちには悲嘆がある、と言われますが
葬儀を行う時期では、まだ深い悲嘆は出にくいのです


家族が亡くなった事実は受け止めていますし
その瞬間は、胸がドキドキして
気が動転します

ある意味、軽いショック状態のような・・・

その後には、悲嘆どころではない状況になります

「葬儀社はどこに?」
「誰に知らせる?」
「どこへ安置したらいい?」
「町内には知らせないといけないし・・・」
「皆がいるし、ご飯の支度どうしよう?」
「銀行行かないと、お金が心配」

まだまだ不安が、心配が、出てきます

葬式になっても
泣けるのは一瞬です
親族や知り合いに逢って、慰められたり
気を許せる人の顔を見て、力が抜けたり
そんな時に悲しみが一瞬出ています

殆どの時間は、周りの動きを気にしたり
やるべきことに気を付けたり
時間や事に追われて過ごします

その時の葬儀社の対応は
基本「優しさ」です
この場合、それ以外に何があるのでしょう

あとは、遺族を困らせないように
不安がらせないように
イライラさせないように

全てに気を配るのです
先に、先に、気を配るのです
周りに、周りに、気をかけるのです

悲嘆が出ていなくても心にはショックを抱えているのです
こちらにその気がなくても、その傷を逆なですることはあり得ます

だからこそ、全てに優しい言葉が、態度が、表情が
そしてその方向は
遺族だけでなく、親族にも会葬者にも、そこにいる誰にでも
向けなくてはなりません

親族や、会葬者が不快を感じたら
遺族がそれ以上に心を痛めるからです

それには【すべてに優しい】ことしかないのです
これって、葬祭スタッフの高度な考えと技術が必要なのです

小手先、口先は通用しませんので
ご注意くださいね