柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

直葬、家族葬の続きの続き

2009年12月30日 | 葬儀の世界
葬儀業界の方のコメントが多かったので
また、続きを書きます

最近テレビも雑誌も直葬と家族葬の言葉が目立ちます。

記事や番組の内容が
こんなに簡素に葬式はできる!
そのほうが心から別れが出来て良い!
だけのものならば
そのまま素直に受ける一般の方々は「そうだ。そうだ」と
感じてしまうでしょうね。

生まれる時に抱きしめてくれるのは両親ですが生きていく中で一体何人の人と心を通わすのでしょう?
「あなたといると楽しい」
「あなたの気持ちがわかる」
「そんな風に思っていてくれたの」
こんな場面は誰にもありますよね。
この人たちが死んでも
「そう、死んじゃったの」で気持ちは終わるのでしょうか?

葬式の中で、会葬者の殆どの方が涙している式があります。
とても親しい仲でなくても、涙する事が。
子供を抱えたお母さんが亡くなる。
葬儀に来た親子共々泣いている。
親友ではなくっても
残された子供の気持ちがわかる
子供に心を残していったお母さんの無念さがわかる。
その後を全て抱え込む夫の気持ちを察することが出来る。

そんな時人は親しくなくっても一緒に泣きます。
式をサポートする私たちだって泣きます。
もしこの式が家族だけでされたら
この大勢の涙は何処へ流したらいいのか?と
思うことがありますね。

子供たちはこういう経験をして「死」が
周りをこんなに悲しませるものだと学んでいくのでしょう。

でも、子供たちが葬式に参列する事は
とても稀になりました。
親戚だけの葬式にしか参列しないなら
大人になるまで人の死を経験しないかもしれません



私の友人が親を亡くした時
私は故人に一度もあっていなくても
葬式に出かけます。

どんなに悲しんでいるか
力を落としていないか、と
友人が心配だから。

顔を見たことが無くっても
義理で参列する訳じゃない。

皆が皆、こう感じる訳じゃないのは承知です。
でも感じる人も忘れて欲しくない・・・

「葬式ではこんな事もあるんですよ」と葬儀社の方が教えてくれたら、
一般の方の葬儀への考えも一遍ではなくなるはずです。

その情報を知って、直葬や家族葬を選ばれるのなら
私はその選択に納得がいきます。

今は選択する情報もないまま皆さんが1つの流れに乗っているようで残念なんです

まず「死」や「別れ」がどういうものかを少しでも解ってもらったら
それに見合う葬式の内容を提案するのが葬儀社の役目です。
それは決して祭壇や何人プラン・・・などではないはずです。