さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

新大阪の苦闘

2011-05-21 09:20:01 | 関西ボクシング
昨夜は所用を済ませたあと、時間が取れたので新大阪のメルパルクホールにて観戦してきました。
OPBFフェザー級タイトルマッチ、ジョエル・アリビオvs大沢宏晋戦です。

新大阪駅から徒歩2~3分、という感じの、アクセスの良い会場。
舞台の上に低いリングが置かれていて、リングサイドに置いてある本部席や
記者席のテーブルの方が、リングのキャンバスより少し高い位置にある、という
あまり見たことのない光景の中、のんびりと観戦しておりました。

メインは松田直樹を頭突きと右の強打で倒した比国人王者アリビオに、
元々ライト級前後で闘っていた大沢が挑む、ということで、
大沢が体格の利を生かせるか、という風に思っていたのですけど、
始まってみると、そんなに差はなく、むしろやや小柄なアリビオの方が
思い切りよく振る右の強打で、大沢にプレッシャーをかけている感じでした。
対する大沢は、クラスを下げて闘う体格とパワーの優位よりも、
苦しい減量で身体が小さくなってしまったような印象でした。

2回、アリビオが低いガードから左フックをいきなり上に。
これがもろに入って大沢、ロープ際に背中から倒れます。
かなり効いていて、立ったもののクリンチで必至に逃れるのが精一杯。
その後も中盤までダメージが尾を引いて、たまに返すジャブや右も力感がなく、
アリビオが断続的に攻めるのをやりすごすのが精一杯でした。

終盤の数ラウンドは、アリビオがあからさまに疲れを見せはじめ、
そこへ大沢が懸命の反撃をし、攻め返す場面もありました。
ボディ打ちも何発か効いたのがあったのでしょうか。
大沢はロープ際に押し込まれると、回り込む動きさえ取れなかったのですが、
終盤はなんどか回って逆にアリビオにロープを背負わせるシーンもありました。

しかし私の目には反撃も遠く及ばず、アリビオの防衛と見えました。
さうぽん採点は大沢にかなり、かなーり甘くて116-111。
同道した方の採点は117-110でした。
我ながら大沢に甘い採点で、我が関西依怙贔屓の血は死んでないなぁ、と苦笑していたら、
ジャッジの採点は違っていて、ジャッジ川上115-112大沢、
リガス114-113アリビオ、柳115-113大沢、2-1で大沢の王座獲得でした。

判定については、あまりとやかくは言いません。
私の見方が絶対だとは思いませんし、接戦という見方もあるのかも知れませんし。
しかし、私の後列にいた、終始大沢への声援を惜しまなかった観客の方々も、
判定が出た瞬間「ええ?」「びっくりしたー」と、驚きを隠せずにいました。
そういう見方があった試合であることもまた、事実です。


アリビオは、確か松田と対戦した時点でOPBF15位か何か、
とにかく下位のランカーだったと思うのですが、負けもすでに10敗と多く、
確かに思い切り振ってくる強打には目を引くものがあるものの、
試合の運びは言ってはなんですが出たとこ勝負で、打つときは迷いなく打ち、
しかし困ったら身体ごと押し込み、疲れたら休み、息がつけたらまた打って、という、
WBC11位のOPBF王者、という肩書きとは釣り合わないボクサーでした。
弱いとは言いませんが、これが王者というのもな、というのが正直な感想でした。

大沢は苦しい減量を乗り越えて、序盤KO負けかという大ピンチをしのぎ、
終盤はまさかの反撃を見せる場面もあり、健闘したと思います。
正直、2Rのダウンは、もう終わったかとさえ見えたのですが、
場内の声援にも支えられたか、よく粘り抜きました。
防御が甘くなったところをあっさり打たれたのは反省材料でしたが、
よく鍛え、練習してきているなという印象で、そのあたりは好感を持ちましたし、
この苦闘を今後に生かしてもらいたいものですね。

コメント (2)
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