さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

大場の試合感想です

2010-03-13 22:40:50 | 大場浩平
えー、映像は早くに見ていたんですが、忙しくて書けなかった
大場浩平日本タイトル返上後の初戦、エリック・バルセロナ戦感想文です。


今、バンタム級は世界王者(WBA、WBC)が共にサウスポーで、
対戦予定になっているというOPBF王者ツニャカオも同じくであり、
そういう今後を見据えての対サウスポー戦だった、とのことですが、
この日の大場は、サウスポー相手でもジャブを当てることにこだわった闘いぶりでした。


対サウスポーの戦法としては、右ストレートでリードする戦法がまずひとつあります。
近いとこでは、西岡利晃との4試合におけるウィラポンですね。
2戦目で西岡に大苦戦したウィラポンが、3~4戦目で見せた、
「ジャブ以上、ストレート未満」の、軽すぎず強すぎずの絶妙の右リード。
距離を測り、出鼻を叩き、カウンターで強打し、実に多彩に打ち分けた右が
西岡のスピードと強打を封じました。

しかし、サウスポー相手に右を多用することで、自分のスタイルを崩してはいけない、
対オーソドックスと同じく、左ジャブから当てていく、という方法論もあります。
これは往年のクロンク・ジム黄金時代に、ハーンズやマクローリーが
こういう闘い方をしました。
もっとも、長身でリーチに恵まれた選手だからこそ、という面も
あるかとは思いますが。


序盤、大場はバルセロナにジャブを出すものの、展開自体は
インファイトに応じる感じで進みました。
その中で大場のボディブローは、バルセロナにけっこうダメージを
与えていたように見え、事実3回終了時点で、かなりバルセロナを
疲弊させていました。

以前から、大場は上(テンプル、顎)への一発強打が少ない代わりに、
ボディ攻撃で相手をKO寸前まで追い込む力があるのだから、
もっとそれを有効に生かした闘いをすればいいのになぁ、と
思いながら彼の試合を見ていました。
で、この序盤の展開を見て、ついに大場がボディパンチャーとして
己の特徴を生かして、中盤までにフィニッシュする形になるかと思ったのですが、
そうはならず、4回以降、大場はジャブを多用して距離を取りだし、
かえってバルセロナの反撃を許し、判定まで粘られてしまいました。
正直言って、大場が自分の良さを自分で封じてしまったような試合に見えました。


次の対戦相手(まだ正式決定ではない?)、マルコム・ツニャカオが観戦していましたが、
4年前の対戦、私は会場で生観戦していまして、どう見ても大場の負けに見えた試合でした。
あの時はドン・カリー的なボクシングというか、ガードを固めてじりじり出て、
ジャブを出さずに相手の動きに反応する形で試合を進め、時折ボディを好打したものの、
ツニャカオの左ストレート→右アッパーのコンビにガードを破られていました。

あれから4年、大場がツニャカオとの再戦をイメージしていたのかどうかわかりませんが、
対サウスポーの戦法として、ボディブローの好打だけではツニャカオを攻略し得ない、と
考えたからこそ、今回の試合でジャブからの組み立てに固執したのでしょうか。
その辺は、ちょっと読めない所もありますが、もしツニャカオとの再戦があるなら、
大場がどういう闘い方を選択するのか、不安でもあり興味深くもあるところです。


しかし、今回のバルセロナ戦に勝てば、すんなり世界戦組むのかなと思っていたんですが...。
ツニャカオとの再戦なんて、いったい誰の発案なんでしょうかね。
世界を前に敢えて厳しい試合に臨む、立派な心意気とか、ファンの立場で勝手を言えばそうなんですが、
ツニャカオ、あんまり衰えてもいないみたいですしねぇ...「せやねん」で見た映像では
スパーリングで長谷川を打ち込んでましたし。

そもそも大場vsツニャカオなんて、長谷川が転級してれば、空位のWBC王座決定戦でも通るカードですよ。
いくらなんでも厳し過ぎませんかね。まあ、実現すればそりゃ見たいですけども...(^^;)


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2 コメント

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vsサウスポー (なつ)
2010-03-22 12:44:54
僕も大場vsマルコムを観ました。
5ポイント差でマルコムの勝ちだと思いました。
マルコムが左右の細かいパンチで大場のリードを封じ込め、大場が飛び込んできた所にマルコムが併せたっていう試合で、
完全にマルコムが距離を支配した試合でしたね。

あの時の大場はアッパーに頼る所が大きかったですからね~。
今回はリードを大切にしていこうというところが見られましたが…。
大場らしくなかったですね~。

結論から言うと、マルコムはバルセロナより強いです。
そして長谷川はマルコムより強いです。

長谷川程強くなくても…とお思いでしょうが、世界チャンピオンは長谷川なんです。
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2010-03-24 09:43:26
>なつさん

そういえば、最近の大場は以前ほどアッパー出しまくり、という風ではないですね。要所で決め手として巧く使えればいいのですけど。

大場は、その持ち味を出して闘えれば、長谷川とはまた違った形で、強い世界チャンピオンになれる素材だと思っています。長谷川に挑戦することはないでしょうから、モレノかセルメーニョをいかに攻略するか、という観点で見ていたら、ツニャカオとの再戦という話が出て、しかもそれが世界戦ではなくOPBF戦である、というので少なからず驚いた次第です。まあ、ツニャカオを堂々と下して世界へ、となれば良いのですが、本人がまずこの試合の話を知らなかった、と言い、そして今のところ正式決定の話もありません。本人や陣営が意欲に満ちて挑むならともかく、そうでない話ならば...という疑問もあります。もう少し様子を見たいところですね。
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