昨日、拙ブログのアクセスを見ると、木村翔について過去に書いた記事のページビューがやたら伸びていました。
え?と一瞬思ったんですが、ああそうか、あの中国での格闘技選手?とのエキジビションの件のせいか、と。
ことの次第は記事をざっと読んだだけで、動画までは見ていません。
中国人のYouTuber兼格闘家、みたいな感じのを相手に、エキジビションのつもりでリングに上がったらあれこれやってきた、みたいな話ですね。
まあ、これとある意味「逆」かもしれませんが、昔、プロレスというかアトラクションのつもりで日本にやってきたモハメド・アリに対し、真剣?勝負をやろうと目論んでいたプロレスラーがいました。
さいわいにもハーバード・モハメドやボブ・アラムら、アリの周辺がしっかりしていて、最悪の事態は免れたわけですが、それでもアリが足を蹴られるという「被害」を被ったのは、有名な話です。
今回、木村の周辺が、結果として木村を護れなかったのは事実で、この辺りに不足があったのでしょうね。
木村翔本人がコメントしたとおり、どこの国にも良い人もいれば、悪いというか碌でもない奴はいる。
日本がどう中国がどう、というのは、基本的にはそのとおりで、上記の例からすれば、日本人とて言えた義理ではない、という気がします。情けないことこの上ないですが。
その上で、こういう試合に元世界チャンピオンたる木村翔が出たことに、まず驚きます。
そもそも、こういう「事件」が記事になるまで、こんな「試合」があることすら、どこでも見たことがなかったですし。
所属ジムの会長さんは知っていたような話ですが、現地に同行したわけでもなく、我々と同じように「びっくりした」みたいなコメントしてはりますしね。
コミッションの管理も全然行き届いてないし、責任の所在はどこにある、と問うのも空しくなるほど、何から何までいい加減というか適当というか。
色々と、体裁とかけはなれた実情が垣間見えるお話です。
ただ、そういう話は全部、細かいことでしかない、という感想です。
そもそも木村翔というボクサーが、本来やるべき試合、やるに値すると思う試合が、ボクシングの公式試合ではなく、この手のものしか無いのか、という話です。
中国のリングで衝撃的な王座奪取を果たし、田中恒成との名勝負を残すなど、そのファイターとしての魅力を、試合のたびにしっかり見せていた選手に相応しい試合、舞台を得られていない。
その事実こそが、何よりも問題だ、と思います。細かい体裁や、それを取り繕うためでしかない、上辺の処分やら何やらは、基本的にはどうでもいい。
人材を生かそう、活躍の場を与えようという意志が薄弱で、そのような情勢にもない、日本のボクシング界全体の力不足、融通の効かなさこそが、まず責められるべき話だと。
もちろん本人の側にも問題が無いとは言いません。
しかし、例えば国内のリングで、世界戦に挑む前、国内上位にいた中谷潤人との試合が組まれ、それが双方にとり、様々な意味で闘う甲斐のあるイベントになるかいえば、まったくそうではない。
なんでもかでも「世界」と冠をつけないとならない...という時代すらもう過去ですけども。
そういう貧しい状況へと、言えば自らボクシングを導いた業界全体が、木村のような貴重な人材を活用出来ずにいて、その延長線上に今回の話がある。
そんな風に思います。
そんなことで、ボクシングファンとして、またひとつ、良い気分のしない話題でありました。
彼の現状、コンディションや適正体重がどうか、ということまで、細かくは分かりませんが、今でも国内上位と組めば、それこそ有料配信でもけっこう「いける」カードはあると思いますし、そういう前向きな話になれば幸いですけども...。
ただ、これ木村さん、処分されないかと心配です。世界王者、それもアウェイであれだけ日本人の心を打つ奪取をした人間です。それがJBCなり協会の伺いしれないところでボクシングじゃない試合した事、やばい気がします。
それでもおっしゃる通りですよね。これだけの方が何故2年以上試合できないのか?コロナ禍とはいえその影響で国内有力者対決が頻発している状況で、木村さんほどの方をこんな話に小遣い稼ぎに行かざるを得ない事情にした、所属ジムやボクシング界が現状恥じるべきです。
こうしたジムの不祥事で、以前、畑山隆則が京浜川崎ジムから横浜光ジムに移籍がありました。
木村翔も、ジムの不祥事で、ボクシングに専念がしにくい状況かもしれません。
青木ジムは老舗のジムで、20年前、自分はよく出稽古で通ってました(笑)
動画は見ても気分が悪くなるだけだと思い、見ていませんが、相当酷いんでしょうね。
処分、というに値しない体裁でしょうが、何かあるんでしょうかね?本人だけの話じゃないと思いますが。
試合に関しては本人の意志による選択ですから、責任はあるでしょうが、彼の置かれた現状はというと...彼が日本において、やり甲斐のあった試合は田中恒成戦で最後だった、となってしまうんでしょうね。
>ポイズンさん
あの消滅したジムの話は、貧すれば鈍するとはこのことか、としか言いようがありませんでしたね。
しかし今は、籍を花形ジムに置いているんですから、実際がどうであれ、その辺は言えないところですね。
>まささん
確かにそうなのでしょうね。しかしアリは木村のような目に遭う前に周辺が危機を察知し、法律面含めた交渉をアラムが、暴力を含めた威迫の面はハーバードの部下やアリの取り巻きが担う形で、その目論見を事前に潰したわけで、翻って木村の周辺は...という。そこに問題がある、とも思うわけです。
しかし、お話のとおりなら今回の相手は、相当なクレイジーですね。最近アメリカでは、YouTuberでありつつボクサー、という人が色々いるようですが、これはまた別物みたいですね。あの人たちはなんだかんだあるにせよ、基本、きちんとボクシングのルールで試合してますものね。