早起きしてウェールズからのライブ配信を楽しく見ておりましたが、結果は残念、そして衝撃的な形でした。
尾川堅一、ジョー・コルディナの右一撃で2回KO負け。
地元カーディフの観衆にとっては、言うことなしの大勝利、歓喜の瞬間だったことでしょう。
試合前の控え室での映像や、リングに上がった様子を見て、コルディナが前回の試合よりも顔色が良く、身体つきにも余裕があり、好調そうな印象を受けてはいました。
あ、130ポンドでもこなれてきたのかな、という。
ただしコルディナ、初回は速い左ジャブが数多く出るものの、左ガードは低い。
足も動いているとはいえ、膝を柔らかく使う防御は見られない。
尾川が右クロス当てるタイミングはいずれ来るか、と。
そしたら2回、まったく逆のことが起こりました。
コルディナ、本当に小さい左フェイントから、右クロス、一発。
パワーを溜めた、振りの小さい一撃がまともに決まって、尾川ダウン。
倒れた尾川の頭がキャンバスにバウンドしたのが見え、終わった、とわかりました。
尾川も左が低いのはお互い様でしたが、先に当てた方の勝ち、ということでしょうか。
終わってみて、コルディナは若く大柄で、それこそライト級の強打を持つ、スーパーフェザー級の若手挑戦者だった、という印象です。
ジャブも足も速く、スタイリッシュで、攻撃面に関してはかなりの巧さと切れ、そして威力も兼ね備えていた。
そして、この地元での大一番で、プレッシャーもあったでしょうが、それを逆に力に変えた、という面もありましょう。
筋の良さは見えるが、試されていない段階の若手でもある、と見ていた選手が、見事に「化けた」一戦だったのかもしれません。
そういう挑戦者にかち合ってしまったのは、尾川にとって不運なことだった、と思います。
ただ、やはり以前から、高いレベルでは、サウスポー相手に速い踏み込みと右の威力を押し立てて勝ってきたものの、右構え相手では、世界ではなく国内レベルでも、上位相手に見目鮮やかな試合はそんなに見ていない、という事実を思い出させられる、そんな試合でもありました。
時に被弾し、前のめりになって試合が荒れ、攻めあぐむも馬力で何とかして勝つ、というような闘いぶりを、何度も見たものですが、その合間にまずい打たれ方も当然あって、今回、決定力のある相手にまともに打たれた結果、こうなった、という印象です。
元々、いろいろと微妙な評価をしていた(初戴冠取り消しの諸々を抜きにしても)選手ではありますが、三度の世界戦が全て海外で、ベガス、NY、カーディフと転戦してきたキャリア、そして好選手目白押しの階級であることを考えれば、貴重な選手だという見方があることも理解します。
それだけに、あまりに痛烈な陥落、残念にも思います。
早朝から、残念な意味合いながら、ある意味実に目覚ましい試合を見せられてしまいました。
ありきたりですが、優勝劣敗の掟が支配する、ボクシングの厳しさを見せつけられた思いです。むー。
コルディナもそんなに狙って打った感じはなくて,手応えと打ち終わりのガードポジションの隙間からダウンを確認してのガッツボーズでしたね.
お互いそんなにガードが固い選手ではないですけど,相対的にコルディナの方がガードが上がっている印象あり,その差が出たように見えました(尾川は日拳の影響もありそうですね).
選手同士の実力差はさほど無いように見え,不運と言えば不運でしたが,結果はこの通りですし,多分どこかであのパンチを食ったでしょうし,今後もその差は縮まらない様に感じました.ボクシングは難しいですね.
初回見る限り私は中盤以降に尾川さんが倒す可能性あるかなと思ってましたが、厳しいですね。
左ガードがやや甘い、被弾もある選手ですが、この相手にこれがあるとは…という印象です。
ただ世界戦全部海外でも文句言わず、そして負けた後の相手に対する態度も尾川さんは素晴らしかったです。
もうちょっと見たかったです、スリリングで面白かった。例の試合の半分くれ、と思いましたよ(笑)
スーパーフェザー級…畑山がラクバシンに食ったワンツーを越える凄まじさ…(笑)
これぞイギリスボクシングだなぁと見てたんですが、ガード下げてのフットワーク、特に前後の動きの速さ、日本選手には難しいように感じます。
やはり、世界のスキル(良くも悪くも)が高くなってきてますよね…みんな速すぎる、日本選手大丈夫でしょうか、スーパーバンタムから上はちょっと…(汗)。
カウンターについては、どっちもあったかな、という印象ですね。初回、自分の目では尾川が取ったと見えるが、敵地、英国、しかも(しかもって何だ)ウェールズとくればあちらに行くか、と思ったら、ちゃんと尾川についていたらしいですが。
コルディナは右をほぼダイレクトで(小さいフェイントはありましたが)相手のガードの外からクロスの軌道で、というよくあるやつじゃなく、インサイドに入る軌道のショートが打てるんですね。過去の試合でもそれ一発で倒したのがありました。あれを尾川相手に、タイトルマッチで決めて倒すんだから、その点は非凡です。ガードについてはお互い様ですが、低いところを徐々に打ち崩す攻防が続いたら尾川にも目があったにせよ、そこに一発で決めるパンチが打てたコルディナの勝利は、終わって見れば必然でした。
実力差かどうかはともかく、少なくとも昨日、地元のリングに立った130ポンド二試合目のコルディナは、想像した範囲の中で最高の状態にあったと思います。対して尾川は、三度目の海外リングながら完全アウェイは初めてだった(私はここをわかっていませんでした)影響が、想像する中で一番悪い形で出ていたかな、と思います。
>アラフォーファンさん
私は正直、上記したとおり、試合前の表情からして、コルディナは最良、大して尾川がえらく硬いなあ、顔色も冴えない、身体付きも元気いっぱいという風ではない、という印象でした。そうか、今までの海外に試合は言えば中立地で、今回は初めての「敵地」だということなのか、と昨日になってやっと気づいた次第です。
初回は互角か、公平に見て尾川のポイントだったと思います。実際そう採点されていたらしいです。
ただ、ガードの低さはどっちもどっちとしても、一発でそこに打ち込めるパンチがあり、ライト級の体重で初回KOをした試合も見ているだけに、この調子の良さだと、思い切り踏み込まれて打たれたらどうなるか。そして、足で外す防御が身についている方と、そうとも言えない方、という比較をすると...尾川には、その差を埋めるだけの攻撃性や馬力、良し悪し含めた強みがあるはずでしたが、それが出る前に、正確に一発決められた、と見るべきかもしれませんね。
試合後、両者ともマナーは良かったですね。そこは感心しました。同感です。
>NBさん
上記したようなところに、如何ともし難いものを感じた次第です。どっちも早々に「勝負」していた、スリルある試合でしたね。
コルディナはアマチュアでも好選手で、実績ありというだけで、基本的に筋の良いボクサーでしたね。そこにライト級のパワーを持って、スーパーフェザーに降りてきて、好調だった、と。もちろん試されていない部分はまだありますが、尾川がその粗を暴く前に倒された。その前に倒しきる精度と威力がコルディナにあった、とも言えます。
基本的に、世界の上位クラスという言い方なら、水準は高いですが、日本もその昔の隔絶とも言える差を詰めてきているとは思います。アマチュアベースの練度が高まっているのも確かです。ただし、重い階級の素材が、プロボクシングの世界に身を投じるに足るだけの受け皿が用意されているかどうか、その辺がまず不安ではありますね。