ここのところちとあれこれありまして、まあ珍しいことでは無いですが、更新が滞っておりました。
とりあえず、というと何ですが、これだけは何か書かねばという試合が月曜にありましたので、取り急ぎ。
ということで玉越強平、6度目の挑戦は残念ながら実らず、という結果になりました。
陣営に与しているわけでなく、詳らかに何もかもを知るわけではない、ひとりのファンとしての立場から
目に見える範囲でいうと、過去のいくつかの試合から感じた悲運のようなものは、何一つ無かった。
簡単にいうと、王者である内藤律樹の素質と成長が、歴戦のベテランを退けた、という試合でした。
玉越が懸命に左を出し、右を狙っても、どうしても内藤の左ストレートを外しきれず、打ち負ける。
あの左に対し、右側に身体を逃がすしかなかった時点で、両者の力関係が見えてしまったように思えて、
その即断がどこかで、爆発的な何事かによって覆りはしないか、という望みを抱きつつ見ていましたが、
残念ながらそのような、甘い願望は実現しませんでした。
だから最終回、何度か内藤を確かに捉えた右ストレートには、見ていて感情を揺さぶられました。
ダメージを抱えた終盤において、もはや相手の内奥に突き刺さる牙ではあり得なかった、
しかし玉越の闘志を十全に表現した、右拳。
玉越強平は、日本の王座には届かなかったけれど、彼が歩んだ、果敢に挑み続けた日々は、
やはり長らく彼の試合を見続けてきた私にとって、とても輝かしいものでありました。
彼がその生き様で固めた拳を振るい、力及ばず敗れて、でもその姿を見ていて感じた清々しさは、
やはりボクシングでなければ感じられない何事か、です。
それを与えてくれた玉越強平の闘いと、彼が闘い抜いたこれまでの日々に、感謝と敬意を表したいと思います。
そして勝者、内藤律樹の成長ぶりにも、目を見張らされました。
前の試合の感じだったら、玉越にも十分な勝機あり、と見ていましたが、
あれほど従来の素質が生きたまま、力強さを感じる闘いが出来るとは、予想していませんでした。
玉越強平の勝利を願って試合を見ていた私の目にも、最後の方になると、
こういう強い王者が玉越の挑む相手であってくれて良かった、と思ってしまうくらいでした。
今後が本当に楽しみな逸材であり、さらなる順調な成長を願わずにはいられません。
私情で言えば残念な結果、でもそれを抜きにして言えば、素晴らしい試合、でした。
これ以上のことを言うことも書くことも許されない、と納得出来るような...
いや、しなければならない、と思うような、というのが実際のところでしょうか。
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WOWOWオンデマンド放送の二試合についても、ちょこっとだけ。
ノニト・ドネアのフェザー級での戦いは、こちらが思う以上に困難なものとなりそうで、
見ていて様々な思いが交錯しました。シンピウェ・ベチェカの力については、いまだどう見ていいのか
判断に迷うところですが、あの悪い展開の中でも、たった一度とはいえ牙を剥いて見せるドネアの、
「バンタム級最強ボクサーの、フェザー級での健闘」ぶりは、流石である、とは感じました。
マルチネスvsコットについては、これがいわゆる「余分」の一試合というやつなのだな、というに尽きます。
やるべき試合ではなかった。ああいう試合を見たいとは思っていませんでした。
ミドル級におけるミゲル・コットには、今回の勝利を背負った上で、さらなる苦難が待っているのではないかと想像します。
もっとも、そういう苦難をまともに被らずに生きていく道がどこかにある、それが今時のボクシング界なのでしょうが。
マルチネスがベストならコット程度に苦戦する事なく楽勝と思ってましたが、度重なる大怪我で本来の足の動きが出来なかったんでしょう。コットは結果的にプエルトリコ史上初の快挙を成し遂げましたが確か前の階級でも相手の大怪我があって勝ったはずなので実績はそんなに評価したくないです。
ゴロフキンやカネロ、クイリン辺りとやれば認めますがしないでしょうしね。
それよりもWBO王者と敵地で統一戦やる高山さんのほうが格好良いです。
130ポンド充実期に、また若く強い王者が現れましたね。活況のクラス、今後が楽しみです。
コットの勝利は、私にはユーリ・フォアマン戦と同じ部類の試合に見えました。仰るとおり、同感です。
コットはプエルトリカン・スタイルの継承、優れた才能と強打という美点に惹かれる一方、偉大な先達と比べると少し物足りなかったり、得心いかなかったりという部分も見えますね。基本的には好きなんですが。
高山は念願かなってWBOとの統一戦とのことで、やはりホントにやるんですね。まあこれまでの彼のキャリアを振り返れば、今更驚くことではないにせよ、改めて大したものだと感心するばかりです。
コメントありがとうございます。毎度の通り、勝手な想いを書き連ねているだけですが、読んでいただいていることにこちらこそ感謝しております。