さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

決着は22ラウンド目に チャーロ弟、カスターニョ倒し「世界王者」に

2022-05-15 19:43:34 | 海外ボクシング



WOWOWオンデマンドとABEMA TVのライブ配信で、国内外はしご観戦を果たし、このあとまたMotoGPもある(これは関係ないですが)大変な日曜日であります。
風の噂ではDAZNさんも、三日連続配信の三日目だそうですが(金、土と駆け足でチェックしましたが、さすがに今日のは未見です)。
とりあえずWOWOWの方から感想文。



ということで「世界スーパーウェルター級」王座決定戦は、ジャーメル・チャーロがブライアン・カスターニョを10回KOで破り、見事チャンピオンに。
4団体統一を達成しました。


序盤、前回の闘いが自信になったか、カスターニョが右ダイレクトを、しっかり踏み込んで打っていく。
ポイントは振り分けで初回カスターニョ、2回はワンツー、左返しのジャーメルか。
しかし内容的には、カスターニョが圧して出ている感あり。

3回も同様。チャーロの左とサイドステップを見ていると、そういえばこの人、元々はこういう方向の選手だったなあ、と出始めの頃見た記憶が甦ってくる。
段々、パワーヒッターである兄に寄せていって?現在に至る今のジャーメルにとって、このスタイル「戻し」は、意図したものか、強いられたものか?

4、5回、ジャーメルは左フックの印象的なヒットがある。5回はカスターニョが攻勢かけたが、取り返された?
6回、カスターニョの右クロスで、ジャーメル少し効いたか。

しかし7回、ジャーメルが間を取って左ジャブ、カウンターにシフト。カスターニョ、ここで少し見合ってしまったのが痛かったか。
8回、カスターニョはジャーメルの右アッパー迎え撃ちに怯まず、右クロス決める。
9回もジャーメルにロープを背負わせたカスターニョ、必死に攻めるが、ジャーメルも足使ってヒット返す。

緊迫の攻防、そしてWOWOW実況解説が言うほど、チャーロの大きなリードとも思えない展開だったが、10回に決着。
カスターニョ前進、相打ちなどもあり、ジャーメル下がり気味と見えたが、右アッパーから左フックの返しが、カスターニョのガードを割って入り、一瞬遅れてダウン。
いわゆるディレイド・リアクションというやつか。
カスターニョ立ったがジャーメル追撃、最後は蛇足という感じの左ボディで倒し、KOとなりました。


試合全体としては、カスターニョの強さと果敢さは驚異的、しかし前回の判定への不満と、試合内容から得た手応えが相まってか、ちょっと正直に、正面から堂々と攻め込みすぎたかも、と思うところはあります。
対するジャーメルは、圧されたせいか、それとも自分で意図して切り換えたかは知らず、結果として足捌き、上体の動きなどで外す防御と、ヒット数を稼ぐジャブを、強打という武器に加えて「上乗せ」して闘えた。
そのぶんの差が、終盤に僅かな防御の隙間を打ち抜いてKOする、という場面に繋がったのかもしれません。


しかし何しろ、毎ラウンド終わるごとに、大きく息をつきたくなるような、見応えありすぎる攻防でした。
ああ、これがホンマの「世界」タイトルマッチやなあ、と、何処に出しても通る、ホンモノとホンモノの闘いを、大いに堪能した10ラウンズ。
そして、前回の引き分けを足せば、決着に22ラウンズを要したわけですが、このふたりならそれも仕方なかろう、と納得です。
勝者と敗者の明暗は分かれましたが、この辺のセンセ方になると、双方に拍手するしかありませんね。良いものを見せてもらいました、と。



ところで客席には、チャーロ兄弟の盟友だというエロール・スペンスやら、レオ・サンタクルスの顔も見え、他にも色々来てたとのことですが。
スペンスの後ろには、タワーリング・インフェルノのニックネームで知られる、セバスチャン・フンドラの姿も見えました。

先日、あの強打エリクソン・ルビンをダウン応酬の末に打ち込んで棄権に追い込んだ「令和のレパード玉熊」(←日本でしか通じない表現)ですが、あのとんでもない試合を見ると、ジャーメルがいかに強かろうと、一度闘って見せてほしい、という気持ちになります。
勝ち負けの予想どうとか以前に「いったいどうなる」のやろう、という一点だけで、充分「見もの」な試合です。
とりあえず会社も一緒のはずですし、是非、近々見てみたいものですね。



コメント (2)
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