ということで一昨日のメインですが、日本ライト級タイトルマッチ、空位の王座決定戦は、ワタナベジムの無敗ホープ宇津木秀が、スーパーライト級王座返上して「降りて」きた鈴木雅弘に、予想以上のワンサイドで圧勝しました。
身体の軸を回して打つワンツー基調に、正確な連打をヒットし続けた宇津木に対し、鈴木は割と余裕持った?立ち上がりに見えたんですが、早々にペースを握られ、パワーでまさるはずが、ヒットを取っても形勢を変えられない。
そのまま打たれ続け、ダメージを蓄積していき、4回にダウン、8回には劣勢が明らかで、9回に打ち込まれると、誰もが納得のレフェリーストップとなりました。
宇津木はデビューした頃から、まあワタナベジム所属ということもあり、内山高志の後継を期待されるようなニックネームがつけられていたような記憶がありますが、あのスケールにはまだ及ばずとも、なかなかのレベルに仕上がってきた、と見えました。
4回、ダウンを奪った左フックは、連打の中にひとつだけ、振りの小さいパンチを組み込んだ「技」の一撃。
それ以外も、ワンツーや右ストレートの後に左を返す際、身体を開いてしまうフックを極力打たず、ジャブ気味のパンチや、ショートアッパーで「代用」しているため、相手のリターンを受けにくい。
良いパンチ当てたい、効かせたい、という感じで、力入れてフックを振ったところを打たれていた鈴木とは、対象的でもありました。
中谷正義、吉野修一郎、伊藤雅雪ら、国際的実績があったり、国内タイトル独占の地位にあった「上」の選手たちの評価は変わらず高く、この一戦でそれを飛び越える、とは言えないにしても、彼らに次ぐ新たなスターが登場した、とは言って良いのではないでしょうか。
宇津木秀、鮮やかな勝利でした。セミに続いて、ライブで見られたことも含め、良い試合を楽しませてもらえた、と思います。
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一昨日の話とは違うんですが、日曜にG+で見た全日本新人王決定戦について、ちょっとだけ。
中止の階級が4つもあって、どうも寂しい印象でしたが、それ以外、試合内容の面でもいまひとつ、という感じではありました。
それはまあ仕方ないことかもしれませんが...どたばたした試合がいくつかあり、それに拙いレフェリングが追い打ちをかけている、という印象が残りました。
あまり見ることのない「絵」ですが、股間に相手の頭突き?を受けるような形でダメージを負った選手が、調子狂った?まま、敗れてしまったり。
休憩時間、もっとあっても良かった、という印象でした。
また、クリンチの際にレフェリーが選手の腕に手をかけた直後、その選手が打たれてKOになってしまったり。
あれ、打たれた方はブレイクだと勘違いしてたようにしか見えませんでした。
ルール上、誰に非があるのないの、という話以前に、こんなこっちゃいかんでしょう、と。
傍目にどう見えるか、さらに言えば、当該の選手や、応援している人たちがどう思うか、という観点で言えば、普通の気持ちでは見ていられない光景でした。
もう少し、公正、平等な試合運営をしようという意志が、判定や裁定を通じて見る者に伝わってくるようにはならんものですかね。
そして、今のところ、これらの試合について、批判や抗議の声が上がったり、コミッションがそれを問題視したりという話は、どこにも出ていないようです。
起こったことの是非以上に、そのことがショックだったりします。
もう誰も、ホンマに気入れてボクシングなんか見てへんのやろうか、という諦念が、心中に湧き上がってきます。なんともかとも...。