さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

「時が過ぎた」現実を炙り出したもの ゴロフキン初黒星、カネロ新王者に

2018-09-16 14:38:31 | 海外ボクシング



ということで、生中継を見終えての感想を簡単に。

ゲンナジー・ゴロフキンとカネロ・アルバレス、因縁の、という以上に
「曰く付き」の再戦となった試合、私の予想は、というか、想像はカネロ判定勝利、でした。

「予想と応援は別」という格言?の典型ともいうべきもので、
前回の試合内容でも見えた、ゴロフキンの体力面での下降に対し、
若いカネロの肉体は(その手法を選ばず?)強くなりこそすれ、衰える時期ではない。
その上に、前回の内容でドローなら、もう少し内容を上乗せすれば、次は勝ちになる。

カネロに対して思うことは様々にあれど、同時に類い希なる逸材であることも事実でしょうし、
この流れで、若い方が負けとったんでは、話にならん。そこまでのスカでもなかろうと。
あまり楽しい想像ではないですが、そんな風に思っていました。


実際の試合ぶりは、その想像通りだった面もあれば、違っていた面もありました。

序盤、カネロが踏ん張って構え、引かない立ち上がり。
意外なほど詰めた「間」で、ジャブの応酬。ややカネロ。

2回、カネロ左アッパー、左ボディから右クロスの対角線コンビ。カネロ。
3回、ゴロフキンの呼吸音をマイクが拾う。早くも息が荒い。カネロ。

4回、ゴロフキンのジャブ、ボディの的中率が上がる。カネロ最後ポイント相殺に出る。微妙だがゴロフキン?
5回、カネロのボディ、右がまさる。6回カネロ左ジャブで支配、最短距離を通る右も。カネロ。

ここまではカネロ勝利の流れと思っていましたが、この後、徐々に流れが変わります。

7回、ゴロフキン、手数で上回るが、カネロのボディ、右もある。ゴロフキン?
8回、カネロ右フック当てるが、ゴロフキン、ジャブが良く出る。ゴロフキン。
9回、ゴロフキン左右フック狙う。右は耳の上、左は斜め上からこめかみを狙う。
カネロのボディ攻撃も目を引くが、ポイント相殺出来ているか、微妙。カネロ?

10回、ゴロフキン右ヒットも追撃焦り、ミスブロー連発。カネロはボディ当てる。
しかしカネロも疲れか、頭が止まり、ゴロフキンのワンツー、追撃も受ける。ゴロフキン。

11回、ゴロフキン右、カネロ初めて自ら下がるが、迎え撃ちの右アッパーをボディに決める。
これまた難しい。全体、攻勢で微妙にゴロフキンか?
最終回、ゴロフキン左フック、ジャブでフォロー、右アッパーと攻めるが、
カネロがその後手数ではまさる。ゴロフキンにつけるけど、逆もある?という感じ。


さうぽん採点は、カカカゴ、カカゴゴ、カゴゴゴ、迷いつつ、またしてもドロー。
しかし、これほど迷うというか、逆もあって不思議じゃない、というラウンドが多い試合は、
世に数多の「接戦」あれど、なかなか無いような気がします。

特に中盤以降、どのラウンドでも、好打があれば反撃があり、攻勢があれば有効打があり、
という具合の、目まぐるしい「ポイント相殺」の応酬が繰り広げられました。
公式採点は2-0、7対5が二者で、カネロを支持しましたが、
ドロー、僅差でいずれか、どの判定も間違ってない、という試合ではなかったか、と。


ただ、寂しいことですが、誰の目にも、ゲンナジー・ゴロフキンが全盛の力を失い、
衰えていることもまた、明らかでした。
そして、カネロ・アルバレスが、それでも充分脅威の力を持つ王者に対して、
前回と違って、間を詰めて構え、踏ん張って攻める闘い方を選び、それをやり通したからこそ、
その事実が炙り出されることにもなったのだと。

どれほど偉大な王者とて、誰に負けるというでなく、時の流れに負けるものですが、
今日、僅差とはいえ勝利を得たカネロは、それ「だけ」の理由で、勝者となったのではない。
カネロ自身にも、確かな「勝因」があった。それは、濃密な試合内容、全般に出ていたように思います。
その一点においては、納得出来る新王者誕生ではありました。

もちろん、この再戦を延期させた諸々や、これまで、そしてこれからの、王者としての立ち振る舞いなどに、
あれこれ疑い、思うところは当然あり、それを省いた話をすれば、という注釈付きではあるのですが。



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アンダーカードはWOWOWオンデマンドで、先行ライブ配信されていました。

ローマン・ゴンサレスは、モイセル・フエンテスを5回、カウンターになった右でワンパンチKO。
調子はそこそこ、という感じか。
Sフライとかバンタムとかだと、もらうお返しのダメージが気になる、という面も変わりなし、ですが。

ハイメ・ムンギアはブランドン・クックを3回TKO。
初回少し見てたかと思ったら、左ボディ、右クロスでばんばん攻め込む。
3回、左フックで倒し、倒れる途中のカナダ人にもう一発、左。追撃してストップ。
若いし元気だし大柄だし、まさしく大器、逸材です。
順調に伸びたら、カネロの次を担う存在になるのかも、と思いますが、
若さに任せて、間隔を詰めて試合させすぎると、雑になる部分も出てきそうです。
マネージャーの方針まではわかりませんが、良いときだからこそ、慎重にお願いしたいものです。

デビッド・レミューはゲイリー・オサリバンを初回、左フックでKO。
エルキュール・ポワロのような顔のオサリバン、良いジャブ決めたと思ったら、
次はそれにカウンター取られて、一発でした。


前座はアーリーKOが多く、メインは見応え十分の内容で、大いに楽しい生中継でした。
月末には、ホルヘ・リナレス再起戦もオンデマンド配信とのことで、これも楽しみです。

気になるのは、ジョシュア、ポベトキン戦て、確か来週末だったような気がするんですが...
DAZNさん、そろそろ予定出してもらえませんかね...?

コメント (5)
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