さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

懸念も不安も吹き飛ばし「進攻」が始まった 井上尚弥、マクドネルを一蹴!

2018-05-26 09:21:19 | 井上尚弥



昨夜は大田区総合体育館で観戦してきました。
あまり長くならないように、感想を。



立ち上がり、当日65キロ(!)まで増量したという、ジェイミー・マクドネルの背中は、
異様に大きく、長いリーチの構えが、見て立った井上尚弥を圧しているように見えました。

しかしそれもつかの間、さっそく左フックで切り込んで下がらせ、鋭く追撃。
左フックが下にも上にも決まり、あっという間に最初のダウン。
再開後の追撃の際、危ない角度でマクドネルの右が来るが、
ガードの上からでもお構いなしに打ちまくり、あっという間のTKO。

あまりの勢いに、レフェリーが恐怖を感じて止めたかのようにさえ見えましたが、
後で見ると、セコンドも棄権の意志をあらわしていたようでした。



それにしても、試合の一週間前くらいから、あれやこれやと連日、まあ賑やかなことでした。

来日直後から、痩身のイメージだったジェイミー・マクドネルの、予想以上の体格と、
どうやらかなり大規模な「水抜き減量」を計画しているらしい様子が報じられると、
最近のあれこれを経ているこちらとしては、やはり疑心暗鬼に陥りました。

またしても計量失格の事態が繰り返されるのではないか。
それがどのような意図の元でなされるのか否か。
スコット・クイッグ、ポール・バトラーに続き、英国人ボクサー三連発があるのか。

まあ、悪い想像はあれこれと膨らんでいきましたが、
結局、マクドネルは計量に遅刻しながらも、118ポンドのリミットをパスしました。

本来、それで当然、試合の前提条件でしかないことでしたが、
なんだかこの時点で、マクドネルを称えたいような気持になっていました。


ただ、試合当日、マクドネルの体重が、65キロを超えているらしい、と知ったときは、
さすがに驚き、また別の不安が心中に湧き上がってきました。
井上もライト級くらいまで戻るかもしれないが、それにしても異様な数字でした。

バンタム級ボクサーとしては、史上最重量(?)と思しき相手が、
リーチを生かしてストレートパンチで突き放し、構えを締めて「堅陣」を敷いたら、
いかに井上といえども、難しい展開があり得るのではないか。
井上圧勝への期待は当然ありましたが、転級初戦としては厄介なことになったものだ、とも。


しかし、何かと普通ではない懸念、不安のあれこれを、井上はあっという間に吹き飛ばしました。
まさしく怪物、本物のスター、真のチャンピオンたる者の仕業、というしかありません。
良し悪しあれこれ、禍々しい話も含め、ボクシングとは、どんなに強いボクサーにとっても、
様々に険しい闘いではありましょうが、それらを全て、己の力でもって乗り越え、
驚愕を伴った爽快感を与えてくれる、稀有なる存在。

割れんばかりの歓声を聞きながら、改めて、井上尚弥の偉大を実感することが出来ました。


と、まあ固い表現をすればこんな感じですが、改めて惚れ直しましたね、ええ。
キャー、尚ちゃんステキー、カッコいいー!という感じでした(^^)
我ながら、ちょっと気持ち悪いですが...すみません。


さて、試合後は、遂にWBSS参戦表明がありましたね。
日本のリングで、この手の「次の展開」を語る成功例は、
畑山隆則による坂本博之戦決定が上限かと思っていましたが、
何しろ世界規模の大イベントへの参戦を宣言したのですから、
これもまた、歴代の先達を超えてみせたといえるでしょう。
そして、遂に「黄金のバンタム」への、本格的進攻が始まるわけです。




今後、この大会がどのような形で開催されるのかは、まだ不明ですが、
大会の一部は、国内で開催されることでしょうから、当然、観戦しないといけません。
その際は、ぜひとももう少し大きな「ハコ」でやってもらえたらいいなぁ、と。

いや、大田区総合体育館は、良い試合によく当たる、験のいい会場ですし、
全体的に見やすくて、素晴らしい会場ではありますが、やはりもう一回り...。
で、出来たら国技館か武道館がいいですね。見やすいし、アクセスも良いし。
広いこた広いけど、見にくい会場はやっぱり厳しいですね。



昨夜の興行は、6試合あったのですが、1回、1回、3回、1回、2回、1回と
アーリーKOの連発で、当然休憩の嵐が吹き荒れておりました。
しかし、最後は、終わりよければ全てよし、という感じで収まりました。
試合後、帰路につく人々が一様に笑顔で、高揚していたように見えました。

スーパースターというものは、勝利によって人の心を高揚させ、
さらなる期待によって、さらに人の心を満たすものなのです。
やっぱり、こうじゃなくちゃいけませんよね(^^)





コメント (12)
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