さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

新記録ならず/返上/取捨選択

2014-03-02 19:08:29 | 話題あれこれ


WOWOWオンデマンドにて観戦したワシル・ロマチェンコの世界挑戦は
2-1ながらオルランド・サリドの勝利。
デビュー二戦目の世界タイトル奪取はなりませんでした。

計量失格となりながら、毎度の通り、しぶとく、狡く、タフな闘いを貫くサリドが、
嫌がらせに持ってくる頭を嫌うばかりのロマチェンコには、
こういう相手の出鼻を強く打つアングルが備わっていなかった。
試合の序盤を見ただけで、すぐにそれが分かりました。

この時点で、ロマチェンコの二戦目挑戦、というよりはサリドとの対戦という選択は、
悪いですが、単に無謀と誹られても仕方ないものだと思いました。

低い姿勢から攻め上げられて後手を踏み続け、相手の前進に対し徹底的に動くでなく、
また踏ん張って打ち返すでもなく、中途半端で、攻防共に密度が低い。
これから10数戦を闘って世界を目指すというなら、優れた素質の持ち主と言えても、
自ら選んだ現時点での世界挑戦においては、はっきりと技量力量が足りませんでした。

最終回の攻勢は見事でしたし、この選手には敗れてなお将来性があるとは思いますが、
今回は相手が減量を放棄してまで自らの体調を護ったことも含め、良くも悪くも、
プロの洗礼を受けてしまった感じですね。この件に関しては、もっと厳罰を科さねば、
という議論は残るでしょうが...。

試合内容としては、正直言って、期待した鮮烈な記憶に残る何事かを見ることは出来ず、
ちょっと期待外れの部類でしたね。ロマチェンコは、ひょっとすると不安定な母国の情勢が
何か彼に影響した面があるのかもしれません。その辺はまた、どこかで伝えられたりするかもですね。

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井岡一翔王座返上、三階級制覇を目指してフライ級挑戦へ、とのこと。

何度も書いたことですが、ライトフライ級王座を三度防衛してフライ級へ、と
普通なら期待に胸が膨らむところですが、そういう普通の受け止め方が出来なくなっています。
世界ランカーに4連勝の後、小型パッキャオの呼び声もある2位のランディ・ペタルコリンとの対戦を
ロマゴン転級のあとの「空位決定戦」と見なすことが出来るかどうか、相手の実力と試合内容に
まずは注目、といずれ書くことがあると思っていたんですが。

相手候補は、IBF新王者、ムショ暮らしとアマが長くてもう34歳、
ホンマに来日出来るんか、と評判?のアムナート・ルエンロンの名前が挙がっているそうですが、
こういう場合はたいていWBAやないの、と思っていたので意外でした。
レベコの線もありそうかな、と、まだ思っていたりしますが...。

もし、エストラーダ戦や、八重樫に勝つと仮定してのロマゴン戦が将来的にあるのなら、
フライ級への「入り口」がなんであったとしても構わない、という程度の寛大さは
何とか持っていたいと思うんですが...おそらくひとつ肩書きを手に入れてしまえば
ファンが何を思おうと関係ないんでしょうし、あれこれ思うことすら無駄なのかも知れませんね。

しかし、三階級制覇といっても、確かに、立場が弱くなると敬語の量が増えると評判の若社長に比べたら
だいぶマシではあるにせよ、事実上、4大タイトル以外の「第五の王座」をこしらえ上げた
ライトフライにおける戴冠と防衛は、その内実が事実上ゼロに等しく「制覇」なる言葉に値しない、
ということくらい、ちょっとボクシングに興味がある人なら、誰でも知っていることです。

フライ級における井岡一翔の活動が、そうした欠落をも忘れさせ、無きことにするような、
堂々たるものであってほしいと願う気持ちは、僅かに心の片隅にありますが、
少なくとも5月7日に大阪で決まっているという試合ひとつだけでは、
その気持ちが満たされることはない、それだけは間違いないでしょう。
そして、もしその試合に勝って、御用メディアが大々的に喧伝するであろう「三階級制覇」には
きっと白けた気持ちになってしまうこともまた、同様です。

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IBF会長が来日、JBC首脳と会談。
詳しくはこちら


事の是非をとやかく言う以前の問題として確かなことは、
JBCはIBFを選び、亀田を切る、という方針であること。
それがはっきり表に出た、ということですね。
それはつまり、業界の方も概ね、そういう方向であることを意味している、のでしょう。

IBFはといえば、あっちにもこっちにもエエ顔をしていたいんでしょうが、
当面はそうもいかんぞ、という感じでしょうか。よくわかりませんが。


誰が善で誰が悪かと、簡単に割り振れるほど世の中は簡単じゃ無いのでしょうが、
少なくとも、業界もコミッションも、過去の舵取りの過ちにようやく気づいた...のかも知れない、と
その点だけは好意的に解釈していいんじゃないでしょうかね。

業界上げてケツ持つのなら、もうちょっとましなタマを選ぶべきだった、ホントに馬鹿なことをした、
くらいの反省は、最低限あってほしいなと思います。実際どうかは知りませんけども。


コメント (5)
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