さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

「最強挑戦者」の証明ではあるが 井岡一翔、転級三戦目もKO勝ち

2013-09-12 18:16:52 | 井岡一翔

井岡一翔の試合ですが、内容と結果は見事なものだったと思います。
「堅実」というものを極めれば、これほどまでの「強さ」に到達する。
ベストの108ポンドに戻して三戦目、なかなかの充実ぶりでした。

防衛ゼロとはいえ元WBA王者、実際の試合ぶりも、世界ランクの数字は
ふたつみっつ過大かな、という感じではありましたが、一定の水準にはある
クワンタイ・シスモーゼンを初回立ち上がりから打ち込める距離で抑え込み、
丁寧な攻防でヒットを重ね、最後は左ボディで止まったところを即座に上。
左ダブルでの強烈なフィニッシュで、ライトフライ級三連勝を飾りました。

ただ、試合後のインタビューに関しては、正直、真意を測りかねました。
どこまで本気なのかね、というに尽きます。
ライトフライ級復帰後、WBAランキングに入っている相手に三連勝ですから、
普通なら、さあ満を持して王者ローマン・ゴンサレスに挑戦だ!と言って
盛り上がるというのが本来の話なんですけど、やはりというか、
自分を「王者」だとして、モノ言っちゃってますからね。

結局、宮崎亮のミニマム級転向と同じく、こちらもボクシングの実像よりも
ごまかしの商売が勝っちゃってるんで、どうも白けた感じになってしまいます。

実際、試合自体を見れば、あの最強王者ロマゴンを打倒しうる日本人ボクサーがいるとしたら
それは井岡一翔だけだ!というファンの期待を一身に集める「最強挑戦者」としての
晴れがましい世界挑戦が、この先にあって然るべきだとさえ思います。

しかし、陣営が、TV局が、先に「世界タイトルマッチ」として商売してしまっているから、
そういうきれいな話になりようがない。
また、選手自身もインタビューで変なこと言うて、あれこれ突っ込まれてしまう。
もし、次の試合でロマゴンへの「挑戦」が実現するならまだしも、
けっしてそういう話にはならないのでしょうし。

もったいないな、不毛やな、という感情が、普通に見れば好試合だったものに
拭いがたい影を落とす。こういうことがいつまで続くんでしょう。

と思っていたら、今日の報道だと、年末にもフライ級挑戦とかいう話があるみたいですね。
やっぱり...。

まあ、さすがに今回は、既存の王者を棚上げするまでには至らないことでしょうが、
とりあえず誰かに勝っても、私の頭ん中じゃ「二階級制覇」ですね。
井岡一翔にこんなマイナスの感情を持ってしまうのは、本当に残念なことなのですが。


コメント (6)
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