非国民通信

ノーモア・コイズミ

叶姉妹が好きです

2013-08-06 22:01:29 | 社会

20歳若く見えるように…50代風俗店女性の免許証偽造 知人の男逮捕(産経新聞)

 知人女性の運転免許証を偽造したとして、千葉県警千葉中央署は1日、有印公文書偽造の疑いで同県印西市大森の自称、会社員の竹内保彦容疑者(49)を逮捕した。容疑を認めているという。

 逮捕容疑は平成23年11月ごろ、風俗店で働く女性(50)の免許証の生年月日部分を書き換えるため、別の数字を印刷した紙を貼り付け、年齢を約20歳若く見えるように偽造したとしている。

 同署によると竹内容疑者は、女性が店で採用されやすいように免許証を偽造。女性はそれを使い採用された。「彼女の役に立ちたかった」と話しているという。

 

 ここでのポイントは「女性は~採用された」という辺りですかね。身分証の生年月日さえ書き換えてしまえば、ちゃんと通用したわけです。50歳の女性で「年齢を約20歳若く見えるように偽造」とのこと、約20歳と伝えられていますけれど、21歳ほどサバを読んで29歳ぐらいを称したのではないかと推測されます。まぁ人によっては若く見る人もいる、年齢がわかりにくい人もいますし、実際の年齢が低くても老けて見える人だっていますから、実年齢50歳の女性が営業年齢29歳で通ることだって時にはあるのでしょう。

 しかし数字にすぎないスペックを重視する人は、思いのほか多いのかも知れません。女優やグラビアアイドルの公称年齢もさることながら、公称スリーサイズなんて完全に創作の世界が大半のはずですけれど、その実測値とは必ずしも一致しない設定上の数値は芸能人の価値を大きく左右したりするものです。一般の女性でも然り、実際に太っているか痩せているかよりも体重の数値に一喜一憂している人は周りの男性も含めて多いように見受けられます。筋肉が落ちてブヨブヨ&ガリガリでも体重の「数字の小ささ」を是とし、良い具合にグラマーでも体重の「数字の大きさ」にダメ出しするような人は結構いるように思うわけです。

 そして年齢の「数値」の重要性は言わずもがなでしょうか。この数値の異性あるいは同性に与える印象もさることながら、風俗店に限らぬ就職全般において――そして就職した後も――年齢の「数値が小さいこと」は極めて大きな意味を持っています。数値が大きければ就業機会は閉ざされるものですし、数値が大きければ「退職を迫る」という事実上の解雇対象者に選ばれるリスクも高まるばかり、実際の人間が若いかどうかは人それぞれですけれど、数値の大小からは逃れられません。こうした中では「数値さえ書き換えてしまえば」と考える人が出るのも当然でしょう。

 冒頭の風俗業にしたところで、見た感じが若ければ免許証から確認できる年齢の数値など関係なさそうなものです。しかし、見た目よりも数値の方に重きを置く人が、採用側だけではなく顧客側にもまた多いのではないでしょうかね。年齢の数値を聞いて一喜一憂する人もまた多い、我々の社会は数値に興奮しているのです。だからこそ数値を誤魔化したり、数値を小さく偽証する人もいる、年齢の数値の小ささを売りにした商品やサービスの市場も成り立つ、時に本人の価値よりも数値の大小がモノを言うような社会では、それもまた生存戦略になるのです。

 日本では「若年層のキャリア形成を図るため」と、おまじないを記載しておけば採用に当たって年齢差別をしても構わないことになっています。私自身が年齢を詐称したくなることが増えるばかりですけれど、どうなのでしょうね、上記のような上辺だけの繕いで年齢差別が許されるなら、法制度を改めてもっと別の文言を指定した方が良いような気がしてきます。従来の「若年層のキャリア形成を図るため」を廃止して、「年齢による差別を行っているため」と明記させるようにとか、そうした方が正直で良いのではないでしょうか。「若年層のため」なんて美辞麗句での誤魔化しをいつまでも続けるのが好ましいこととは、とうてい思えませんし。

 

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コメント (4)
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