クアトロの開店以来26代目のパルミが明日到着する。
そのパルミの正式な名称はパルミジャーノ・レッジャーノである。
長い名前なのでパルミと呼んでいる。
さて正式名称のパルミジャーノ・レッジャーノとは、パルマ市とレッジョ市で作られるパルミジャーノ・レッジャーノ協会の規格に合格したハードチーズの事である。
たとえば、柏市と流山市で出来たチーズをカシワジャーノ・ナガレヤマーノと呼ぼうと決めたようなものである。
そして、厳しい規格に合格したものだけが、パルミジャーノ・レッジャーノの認定の刻印を押される。
出荷数も協会により制限され値崩れを防止する。
生産者は銀行にパルミを預けて出荷調整をすることになる。
パルミを銀行へ持っていくとお金を貸してくれるという所以である。
粉末にしたものをパルメザン・チーズと云ってこちらの方が日本人には馴染みがあるが、これはパルミ風チーズでパルミを粉にしたものではなく、アメリカなどで作っている。
明日からクアトロで刻印の付いた本物のパルミの真ん中の部分をおつまみで食べられる。
切り立ての真ん中部分のパルミは特別に風味があり、しっとりとした感じで旨い。
また、パルミを作る工程から出る乳脂肪分から、マスカルポーネが出来、乳清から肥料が出来る。
マスカルポーネからは、クアトロのティラミスが出来、乳清はパルマハムのエサになる。
明日から、パルマハムとパルミチーズとティラミスのパルミ三兄弟をクアトロで楽しもう。
子供の頃、チーズは体によいから食べなさいと、石けんのようなプロセス・チーズを食べさせられた。
一辺のチーズを歯の先でえぐるように時間をかけて食べないと食べられなかった。
いくら体に良いといっても、美味しくないものは薬を飲まされているようなものである。
そもそもプロセス・チーズはチーズに火を入れて保存に堪えるように作られたもの。
もともと軍隊の携帯食として開発されたものだという。
兵隊になったら食べるかもしれないが、子供には向かない。
第一親は食べないで、子供にだけ勧めていた感がある。
冷蔵庫の中のプロセス・チーズはなかなか減らなかった。
火を入れず、自然の美味しさと栄養がそのままのチーズがナチュラル・チーズ。
クアトロに「デリス・デ・ブルゴーニュ」、ブルゴーニュの絶品という名前のチーズが入荷。
白カビのチーズに生クリームを練り込んだようなクリーミーなチーズ。
トリプルクリームで、その濃厚なミルク本来の甘味と旨みはデリシャス。
このチーズにワインや日本酒を合わせても美味しい。
子供にはまだ早い、贅沢だとか云いながら、大人の楽しみにしたいチーズ。
初秋の候
赤ワインに初秋の味覚、巨峰と梨を漬け込みソーダで割って飲む、クアトロの初秋のカクテル「巨峰と梨のサングリア・ソーダ」が登場しました。
しかし酒税法ではお国の許可無く、お酒に他のもの(水以外)を加えると新たな酒を造ったとみなし密造酒扱いになるそうです。
世が世ならば、アンタッチャブルが乗り込んでくることになるのでしょうか。
ただし、カクテルなどお客様から注文を受けてから作ったものはかまわないとか。
しかし梅酒のような予め仕込んで作ったものはカクテルの仲間だと云ってもダメ。
すると予め仕込んであったサングリアも密造酒にあたる。
よく仕込んであるサングリアのボウルを囲んでの立食パーティーの光景があるがあれは法律違反なのだろうか。
そして、クアトロのサングリア・ソーダを飲んだお客様は共犯者になるのだろうか。
「ご注文をいただいてから作っています」と、云うクアトロの父。
注文をいただいてから忙しそうなふりをするクアトロの父。
しかし、違法なものほど美味しかったりするものです。