ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

シャウルス・フェルミエ

2006年10月21日 | チーズの話

Photo_95 フランス人の商売上手の話はつづく。シャンパーニュ地方のブドウは、出来が悪かった。糖が上がらず、酸が強すぎるようだ。その欠点を逆に利用したのが、発酵によって生じる炭酸ガスを閉じこめ爽やかな酸味を楽しめるシャンパンというお酒だ。その製法を考えたのが、盲目の牧師ドン・ペリニオン。工夫の数々の話を聞くとすごいことばかりで奇跡としか思えない。神の啓示があったのだろうか。キリスト教とワインの関わり合いは多いが、神様はとても酒好きなのだろう。
さて、このシャンパンに合うチーズにこの地方のチーズ「シャウルス」がある。このチーズはシャンパンに便乗するまでもなく、素晴らしいものだが、シャンパン同様に食の都パリで愛されたようだ。白カビにきれいに覆われた姿は、とてもエレガント。同じ白カビのカマンベール、ブリーなどは、中がとろっとしたところが美味しさだが、このシャウルスはさらに中心部分のさくっとした食感も美味しい。乳脂肪分も多く、味わいは濃厚。熟成が進むと、白カビの皮の部分ととろっとした皮の内側とさくっとした中心部の三層を楽しめる。クアトロに入荷したフェルミエとは農家のことで、農家製のチーズだ。大量生産でなく、牛乳からチーズに仕上げるまで、丹念につくられたこのシャウルスは特別美味しい。シャンパンだけでなく、合わせてみたいワインが色々と思い浮かびます。

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