クアトロ最寄りの駅、東武・豊四季駅の南口は、2000年に再開発が行われた。
開発前、夕暮れになると豊四季の駅舎を守っているような二本のケヤキのシルエットが現れる。
日の明るいうちはそこにケヤキがあったことも気づかないものだ。
どうやら二本のケヤキは夫婦だと思われる。
実は、そのケヤキはクアトロのママの生家のものだ。
開発の時に、その夫婦のケヤキの一本は切られ、一本は市会議員の働きで、市の公園に移された。
移されて残されたケヤキは、元気にしているのだろうか。
夏の終わりを告げるように、毎年8月23日は豊四季のお諏訪さまの祭礼。
22日には夜宮があり、人出も多く露店も参道を埋め尽くす。
夕方になると、ケヤキの下に住むおばあちゃんのもとに、孫たちが集まる。
おばあちゃんにお小遣いをもらい、夜宮で使うのが夏の終わりの楽しみだった。
クアトロのシェフもその一人だった。
豊四季駅の夫婦ケヤキのシルエットにお諏訪さまの賑わい、そしておばあちゃんにお小遣いを貰う孫たち、もう遠い昔の風景になってしまった。
今は、夫婦ケヤキもなく、おばあちゃんもいない。
いつしか、クアトロ夫婦がじいちゃん、ばあちゃんになり、今年もこのお諏訪さまの祭礼に孫が集まるのだろう。
夫婦ケヤキは無くなったが、クアトロのスパゲッティが今度は孫たちの思い出の風景になるのだろうか。
その、夜宮が明日である。
明日は、クアトロでおすわ様の帰りに、トウモロコシのペペロンチーニでも夏の思い出にいかがだろう。