クアトロの今日のおすすめは、スルメイカだ。
スルメイカの鮮度は色で解るが、釣りたては透き通るように白い。
そして、光るような黒になる。
やがて濁った白になり、また汚れた黒になっていく。
刺身で食べるのには、光るような黒が良い。
クアトロで今日はその光るような黒いスルメイカを食べよう。
と、いったクアトロの父の誘いに乗り、家族には内緒でひとりで美味しいものをクアトロで食べたとする。
翌日、家族に尋ねられる。
「夏休みの最後にみんなでクアトロへ行きたいわ、あなたは昨日どこで何を食べたの」
「え、クアトロって何だっけ」
こういうとっさの嘘をつくと、右上に視線が動く。
「夏休みの最後にクアトロへ行きたいわ、あなたは昨日どこで何を食べたの」
「えーと、普通の居酒屋で普通のイカなどを食べたような記憶が・・・」
こういう準備をした嘘をつくと、左上に視線が動く。
やはり右に視線が動くのは経験していないことだからであり、左に視線が動くのは準備したことだからだ。
どちらにしても、上に視線が動いたり視線がさまよったりするのは怪しまれる。
家族を出し抜いてひとりでクアトロで美食をするときは、目の動きに注意しよう。