クアトロ夫婦は小旅行に出かける。
大堀川バードウォッチングの旅である。
自宅から最寄りの駒木から大堀川遊歩道に入る。
この大堀川は総延長6.9キロを周辺の雨水と生活排水を集めて手賀沼へと流れる。手賀沼は日本一汚い沼とされていた大きな原因とされていた川である。手賀沼をきれいにするためには、この大堀川の浄化が必要だった。
現在では行政と地元住民の努力で大堀川はとてもきれいになった。そして手賀沼も日本一汚い沼の汚名を返上することとなる。
今日は、その大堀川沿いを散策したクアトロ夫婦だ。
クアトロ夫婦が歩き始めた駒木あたりから川としての様相をみせるのだから、川の上流から歩き始めたことになる。
この駒木からは大量の水が放流されている。利根川の水でも引いてきているのだろうか。まずは水が流れなければ川は生き返らない。
この駒木には江戸川大学の校舎がある。少し歩くとクアトロのママが毎日のように買い出しに出かける地元野菜を扱う「かしわで」がある。このあたりは生活排水も多く集まるところだ。いくつもあるその注ぎ口は鳥たちのかっこうのえさ場になっている。注ぎ口ごとになわばりがあるようだ。枯れ枝にはスズメたちが鈴なりになりスズメの学校の授業中である。ピーチク、パーチクが終わるとえさ場へとみんなで向かうのだろう。
その後、高田小学校のところまでくると川幅は急に広くなる。小学生に遠慮しているのか、このあたりの鳥たちはおとなしい。
さらにいくと川幅は少し狭くなり、その分流れは早くなる。川辺には葦が生い茂っている。この辺には鳥たちの住宅地になっているのだろうか。親鳥を呼ぶ小鳥の声も茂みの奥から小さく聞こえる。
そして、この川のスターに出会った。カワセミである。瑠璃色の容姿がひときわ際立つ。クアトロのママは「きゃー素敵」などと韓流スターでも見つけたような歓声を上げている。
このあたりからは、川辺の鳥たちも水鳥が多くなり、その合間をカワセミが滑空していく。あくまでも、俺がこの川の主役だと見せつけているようである。
クアトロ夫婦はカワセミにエネルギーを使い過ぎたのか、目的の手賀沼まで三分の一あたりで、お昼休みにするかということになり、それではちょっと一杯ということになり、このあたりで引き上げるかということになり、小旅行はここまでとなった。一時間ちょっとの旅行であった。