冬になると日本酒が飲みたくなる。秋に収穫された酒米が清酒になるその頃は鍋でも囲んでキリッと冷えた清酒が飲みたくなるものだ。
春になると白ワインが飲みたくなる。秋に仕込んだ白ワインが復活祭を過ぎた頃に澄んだ白ワインになる。冬を過ごした野菜たちを肴に白ワインが飲みたくなるものだ。
夏になるとビールが飲みたくなる。汗で失った塩分と水分を追い求めるように枝豆とビールなどは最高だ。
秋になると赤ワインが飲みたくなる。味覚の秋、収穫の秋には赤ワインがなくては話にならないと思える。
ようするに、一年中お酒が飲みたいと思うクアトロの父だが、一個人の特別な感情でもないと思う。
さて、本格的な秋も訪れようとしている。赤ワインの季節がやってくる。クアトロもお客様からの赤ワインの注文が増えてきた。
クアトロで赤ワインを注文すると大きなワイングラスが出てくる。しかも薄いガラスのグラスだ。どうしてクアトロはこんなグラスを使うのだろうか。
赤ワインの楽しみは色と香りと渋みが三大要素である。
赤ワインを注いだワイングラスを目の高さに掲げる。ルビーやガーネットのような赤ワインの色合いは神秘的だ。
ワイングラスを口元へ持っていくとその大きなグラスは鼻を覆い隠し、赤ワインの素晴らしい香りに包まれる。
大きなグラスを持つと、驕り高ぶる訳でもないのだが自然と体が反り返る。すると赤ワインの液体は舌の奥まで行き渡り、舌の奥にある渋みを感じる味蕾を刺激する。
秋を満喫するためには、クアトロの秋の味覚を肴に大きなワイングラスで赤ワインを楽しむことをクアトロの父はお勧めする。