蕎麦スパゲッティ

昔の話だが、ちょうど今頃の季節に八ヶ岳の麓の蕎麦屋へ出かけた。開店前の早い時間に着いたのだがすでに列が出来ている。何とか席につけた。店は、頑固そうなご主人が一人でやっている。何とも痛々しく腰にコルセットを巻いている。蕎麦打ちで腰を痛めたという。蕎麦のメニューは白蕎麦と黒蕎麦しかない。気の利いた日本酒をいただきながら、その蕎麦を味わった。何とも香りがよく、腰も強い。八ヶ岳の空気のようにすがすがしい味わいだ。こんなに美味しい蕎麦があったのかと感動したものだ。
あの蕎麦の感動を再現したい。クアトロの父の夢のひとつである。
今朝、昨日仕込んでおいた蕎麦パスタの生地を取り出し製麺した。先日購入した片品村産の新蕎麦を石臼で挽いたそば粉を使ったスパゲッティである。蕎麦の香りと風味を活かしたスパゲッティになるだろうか。コルセットを覚悟で一生懸命に作ったが、パスタマシーンを一生懸命に回すだけの作業なので、コルセットは必要ないようだ。
さてさて、手応えとしては中々の出来であります。シェフはトマトソースで仕上げようかと云っております。どんなパスタが出来上がるかは、今晩のお楽しみです。あの八ヶ岳の蕎麦の感動に近づきたいものです。