愛しきものたち

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奈良市川上町 奈良坂墓地?阿弥陀石仏

2012年09月12日 | 石仏:奈良

般若寺の南側、奈良坂の南面する斜面に在る古い墓地で見かけた阿弥陀石仏さん。

写真は撮ったものの何処にもそのデーターが無く、このまま忘れてしまいそうなので取り敢えずのUPです。

<遠く向うに大仏殿の大屋根が見える墓地入口>

奈良市街、東大寺転害門(てんがいもん)の脇をすり抜け奈良県境を越え、京都山城へと入る旧国道24号線の般若寺信号の少し手前、なだらかな登りの左手に見える墓地。

一帯は中世には墓地が広がり庶民の葬送の地であったと言う。

阿弥陀石仏は墓地中央部に有り、特別な様子もなく墓石変わりの様に立って居ます。

舟形光背を持ち、高さ約1.5m、像高120cm程・・・・中肉彫りで来迎印の阿弥陀立像を刻み出して居る。

少し難かる様な泣きっ面ですが頭部には丁寧な螺髪が施され、阿弥陀三尊の種子を光背頂部に刻み込んでいる。

全体的に覇気がなく納衣の衣文にも形式化が見られ、光背には室町末期の永禄三年庚申(1560)銘が刻まれている。

墓石仏としては保存も良く、風化摩耗も少ないが唯一鼻先が欠損、泣きっ面に拍車をかけている。

京都市内の阿弥陀石仏は殆ど坐像であるのに対して奈良の阿弥陀石仏は殆どこうした立像で有るのは中世奈良文化と京都文化の一つの違いでしょうか??

撮影2011.9.10