滋賀県竜王町、鏡山麓の西光寺跡に建つ重要文化財の石燈籠。
滋賀県湖東をを縦断するように走る国道8号線、竜王町の道の駅「かがみの里」があり、すぐ近くに中世にはその権勢を誇り300坊も擁したという西光寺跡が「強者どもが夢の跡」とでも言えそうな夏草に埋もれるようにして在る。
道の駅西側に建つ民家外れの小径を50m程も登って行くと、正面には新しい会所のような建物が有りその奥、右手脇に小さな古ぼけた堂が有る。
ここに関西では珍しい石造仁王像が祀られて居て、今でも信仰厚い様子が窺われる。
例に依って古めかしい格子戸は厳重な閂で閉じられ、小さな格子戸よりレンズを差し入れての撮影です。
格子戸と石仏の間に引きがなく、どうにも撮影のしようが有りません。
おまけに厚く何重にも涎掛けが巻きつけられ、どうにも全容は掴めませんが・・・、およそ等身大で目をカッと見開き、大きい団子鼻で阿形の仁王像です。
おそらくは西光寺山門に阿吽として並び立って居たのでしょうが吽形の方は未だに見つかっていません。
更にその奥へと少し登ると正面に覆屋が有り、大きな石燈籠が見える。
火袋が設けられて居るので燈籠だろうが石仏好きの僕は、敢えて燈籠型八面石幢(せきどう)と呼びたい。
元、更に奥地に有った西光寺の鎮守社「八王子社」に有ったものですが、廃絶と共に荒れ果てここに移されたようです。
高さ2.8m、基礎から笠まで正八角形、ただ火袋部下の請花部は円盤で連弁を刻み付けて居る。
竿石は細く高く、西側の一面に「応永廿八(1421年)辛丑八月八日願主敬白」と刻んだ銘があるが肉眼では読みづらい。
竿石は複弁反花を施した八角形の竿受座上に建つが基礎石の八角台は移設時の候補だと思われる。
火袋部の八面体には四箇所の火袋と蓮弁に載る小さな石仏を交互に配して居て珍しい。
石仏は地蔵のようでも有り、阿弥陀のようでも・・・・、また錫杖を持たない地蔵と来迎印の阿弥陀を交互に配しているようにも見える。
いずれにしても国が認めた重要な石造物であることには間違いがない。
撮影2011.8.20