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名刹西大寺近くに青野墓地とも呼ばれる西大寺共同墓地が有り、その墓地内と近くに二体の中世石仏が立って居る。
此処は最近まで在所外れの葬連道の辻だったと思われ、道端の土手に寄せ集められた数体の小石仏と共に立って居る。
付近は墓地の周りまですっかり宅地開発が進み、野辺の送りも無くなって久しいが、この道を哀しみの葬列が何百年も続いた事が窺われる。
舟形光背は高さ約160cm、共石でせり出す様に造った半円形の古式な蓮台に立つ像高120cmの定形地蔵立像を厚肉彫りで刻み出す。
凛として立つという言葉が相応しいような丁寧で力強い像容・・・。
写実的で凛とした願容、その全容から鎌倉後期の造立だと考えられる。
野良で仕事中の老人に聴いたところ特別な呼名はなく、野の仏としての風情を残す地蔵さん・・・・、どれだけ多くの葬列を送ってきたのだろう。
一方墓地内の東側入口に近い処にもう一体のこれはと思う石仏さん。
こちらはちょっと小型で高さ115cmの舟形光背を持ち蓮華坐に立つ像高90cmの地蔵立像。
少しきめの粗い花崗岩に中肉彫りで刻み出した定形地蔵・・・
少し略式化が進み始めた衣文にちょっと微笑むような顔容で狐目。
光背左右には刻銘が有り、室町時代後期の天文二十二年(1553)、願主 澄円により造立された事が解る。
撮影2012.9.2