愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

奈良市川久保町 念聲寺地蔵石仏

2012年09月02日 | 石仏:奈良

ここもまた奈良市街地、県庁裏手に当る、浄土宗「念聲寺」の境内地蔵堂に祀られて居る石仏です。

国道369号線、旧奈良街道の国道369号線、東大寺焼門信号を西へ約200m、脇道と合流する角地に狭い境内の「念聲寺」がある。

山門は交差する脇道に少し入り込んだ先、街中の小寺院では多くの場合がそうであ有る様に、ここでもまた山門は柵で通行止め、インターフォンで用事向きを伝えて境内にいれて貰う。

境内は民家の庭ほどの植え込みだけ、本堂に向かって左手、寺墓入口脇に一間四方の地蔵堂が有りこの地蔵石仏が祀られている。

ちょうど去年の今頃、東日本大震災殉難者追善供養の板塔婆がたくさん立っていた。

去年はどこに行っても良く見かけたもんです。

地蔵石仏は(前の供台が邪魔で見えませんが)別石の六角形基台の上、大きな円形蓮台に坐す地蔵坐像石仏です。

総高約160cm、光背高110cm、結跏趺坐する座高は約70cm、光背蓮華座と共に一石で刻み出す。

舟形光背の表面には二重円光を刻み、突き出したお腹に福徳円満な笑顔を湛え、右手錫杖、左手宝珠、丸掘りに近いほどの厚肉彫りで木彫仏にも近い程の丁寧な仕上がりです。

この石仏も堂内に祀られて居たものか風化摩耗も少なく、保存状態も良好。

地元では安産延命の地蔵として信仰を集めて居る様ですが、その像容から鎌倉末期の造立だと言われて居ます。

地蔵堂脇には無縁仏の集積と地蔵石仏。

撮影2011.9.10