愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

京都旧加茂町 弥勒の辻、弥勒磨崖石仏 [画像更新]

2011年09月07日 | 石仏:京都

岩船寺から、奈良方面に続く道路を2~3分車で走ると弥勒の辻という所に出る。

木立の中を走ってきて視界の広がった弥勒の辻の右手、山際の高さ5m程の巨岩に高さ2.5mの「弥勒磨崖仏」が線彫されている。

勿論、「弥勒の辻」の地名はこの石仏からつけられたもので、奈良方面からの岩船南口バス停もこの場所にある。

この弥勒石仏は、室生大野の磨崖石仏と同じく、ここからは、すぐ近くの笠置山大弥勒石仏を手本に作られたもので有ると考えられています。

確かに、京都仁和寺に残された、笠置山弥勒磨崖石仏の写しによく似ていて、衣文の流れなどはそっくりそのままのような印象を受ける。

ぞうの右横には銘が刻まれていて、文永十一年(1271・鎌倉中期)大工末行とあり、伊末行の事で、この石仏を作って13年後には、前に紹介した「わらいぼとけ」を作っている。

ちなみに、「わらいぼとけ」には、この前の道を右手に10分ほど歩けば到着する。

ただただ、おしいことに線彫り石仏のため、風化磨耗,苔等により、像の上部が非常に解りづらく、見え辛らくなっている。

撮影2005.12.18/2011.6.22


旧加茂町 谷ノ下(たんのした)地蔵磨崖石仏

2011年09月07日 | 石仏:京都

石仏の存在は以前から知っていたのですが近くの人に聞いても要領を得ず、石友の案内でやっと対面することができました。

当尾浄瑠璃寺門前近くの東小上集落から大門の集落へ行く田舎道が有って、その途中に有る春日神社南斜面辺りの竹藪の中に忘れ去られたように佇んでいます。

地域の人たちが「たんのした」と呼び習わす一面の竹藪地帯で昼尚暗いような場所、勿論なんの案内も表示もなく、誰かの案内でも無いととても行きつけない場所です。

南面の竹藪斜面に突き出した小山状の花崗岩に刻み出された地蔵磨崖石仏は穏やかな表情で訪れた僕たちを迎えてくれました。

大岩周囲には緑の蔓性植物が絡まり景観を盛りたててくれます。

付近には石積みの跡も残りこの付近にも往古の廃寺が有った事が伺えます。

地蔵は右手に錫杖、左手に宝珠を掲げた定形地蔵立像・・・・

船型光背を深く彫沈め、外部に線彫りされた大きい蓮弁の上に像高約1m足らずの中肉彫で刻み出している。

訪れる人とて無い静かなこの地に佇む地蔵さんは、一体どんな時代を、どんな景色を見て来たのだろう・・・・

幻の三尺地蔵磨崖仏とも呼ばれているようです。

撮影2011.3.27

個人所有の筍藪なので地図の表示は止めました。