大津市栗原は琵琶湖の西岸、比叡山塊山裾に広がる棚田の中に有る集落。
棚田は集落を見下ろすように周囲を取り囲み長閑な里山風情いっぱいの田舎です。
集落入り口辺りに大きな四辻が有って、その北西角に一間四方にも満たないような簡素な地蔵堂が建っている。
地蔵堂には真新しい花や香も手向けられ、朝な夕なに地域の篤い信仰の有ることを窺わせる。
石仏は大和高原域に多い一石六体地蔵、山形石の底辺部に長方形を薄く彫り沈め、素人彫りの様な単純素朴な六体地蔵を刻み出している。
像高、凡そ30cm、近江の集落辻でこんな姿の地蔵さんを見かけるのは珍しい。
集落を少し登った道路脇にもこんな地蔵さん。
石垣の下方を旨く利用し、石龕を組んだ中に地蔵石仏。
手向けられた花も香も真新しくやっぱり地域の信仰篤さがうかがわれる。
土と共に生きると云うことはそう言うものなんだと、つくづく思いを強くする。
撮影2011.6.19