当尾を二分する代表的な寺院は浄瑠璃寺と、この当尾の南東端辺りに位置する岩船寺。
岩船寺の質素な山門を潜り緑深い境内に入ると右手奥に簡素な地蔵堂があり、地蔵石仏が祀られている。
石仏はほぼ正方形の台石上に乗り総高約1.5m足らず、大きな二重光背を背負う定型の地蔵菩薩座像。
大きな錫杖を持ち、造り出し蓮台上で力強く、大きく張った膝を組む。
像高は80cm足らずだが、厚く力強く彫り出された像容は鎌倉様式を踏襲した鎌倉後期の像立。
当尾地域の石仏としては取り上げられる事の少ない石仏ですが、地元では厄除けの地蔵尊として篤く信仰されているようです。
長い間雨ざらしで有ったのだろう苔がびっしり絡まっている。
撮影2011.6.22