大津市の皇子山公園から名神高速道を挟んで西側山裾に早尾神社と山上不動尊が併存していて神仏混淆の形を良く伝えている。
名神高速を跨いでわたる参道から木立の多い境内に入ると、すぐ右手脇にたくさんの小石仏の集積があってその中央に一際目を引く背の高い板碑がある。
全ての石仏さんには赤い涎掛けがかけられ、傍らにある小さな木の幹にも白いながら、同じような涎掛けが掛けられ信仰深いことを伺わせる。
この特異に背の高い板碑は総高約2.8m、幅40cm足らずと石柱と見紛う様な姿です。
頂部を山形三角に加工し、その下部に蓮華座に坐す像高40cmほどの定印阿弥陀坐像を薄肉では有るが旨く刻み出している。
小像では有るが肉付きの良い体躯に良く張った膝、穏やかな顔容もこの板碑石仏が古い時代の物であることを窺わせる。
涎掛けの下に何か文字でも刻まれてないかと捲って見るが何もなさそうです。
これだけ長い空間が有るのに何も刻まれていないと言うのも不思議な気のする板碑石仏です。
撮影2011.6.19