愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

銀閣寺道 白沙村荘(旧橋本関雪邸)の石仏 <1>

2011年08月28日 | 石仏:京都

京都銀閣寺近くに有る白沙村荘は言わずと知れた日本画の大家、京都画壇の重鎮だった「橋本関雪」の旧私邸。

その回遊式庭園には関雪趣味の石造物が多く集められていて国の名勝に指定され、関雪記念財団の名前で維持管理一般解放されている。

本来在るべき所に出掛けて拝観、鑑賞するのが道理なのだろうが・・・・、画壇の大家とも成れば気に入ったものを身の周りに置くことが出来たのだろう。

数ある石造美術品の中から先ずは石仏。

どう見ても不自然な定印阿弥陀石仏・・・・どうしても正方形の板石状背面が気にかかる・・・。

こんな石棺仏は有り得ないから・・・、まさか磨崖の一部分をはがして来たものじゃないだろうか???

何の表示も無いので判りません。

磨崖仏とだけ表示のある石仏さん。

これと良く似たものを見たのは確か滋賀県、龍王山・・・・。

アウトラインで囲った舟形光背がそっくり。

こちらは地蔵で現地に現存するのは「茶沸かし観音」と呼ばれる小さな如来型石仏・・・・、しかし時代は全く違うような???

庭の片隅にポツンと立ってた石仏さん、頭部と顔面一部が欠けた坐像石仏。

舟形光背を背負う像高1m足らず??、肝心の顔様や印相の傷みがひどくさっぱり尊名も不明です。

こちら庭の中央、苔の上に鎮座していた。

左手に薬壷を持ち、右手は施無畏印、舟形光背を背負う薬師坐像石仏。

小振りながら厚肉彫りで堂々とした体躯、鎌倉期造立を思わせる。

撮影2009.5.30


柳生阪原北出橋 阿弥陀如来磨崖仏[画像更新]

2011年08月28日 | 石仏:奈良

通り掛りに白砂川越しのアングルで撮影してきたので画像の更新UPです。

 

川岸に菜の花が咲きほのぼの、鄙びた野の仏の風情がなんとも心に沁みつく磨崖の阿弥陀さんです。

<撮影2011.5.2>

柳生坂原の地は、国道24号線、奈良坂の般若寺から、柳生へ向かう国道369号線沿いの最終集落で、長閑な里山の広がる石仏の里で、僕の好きな所の一つです。

この集落の入り口に産直の販売所が在り、集落内に入る旧道をしばらく行くと、白砂川に架かる北出橋に差し掛かる。

北出橋の手前右側、白砂川越の岸壁にこの磨崖石仏が見えてくるが、案内板や標識はまったく無いので見逃しかねない。

北出橋を渡り、右手に入っていくとこの石仏の前に出ることが出来る、その昔この石仏の前に道が通じていたような気配がうかがわれる。

大きな岩壁の中央部に長方形の枠取をし、その中につぼ型光背を深く彫り窪め、その中に像高91cmの来迎印阿弥陀如来が彫られています。

小川沿いの長閑な石仏でこの地と好く溶け合って、いかにも野の仏としての雰囲気が素敵な磨崖石仏です。

文和5年(1356)という南北朝時代の年号が入っている阿弥陀様で、今でも信仰が篤いのか石仏の前には、なにやら奇妙な、オコナイの跡が見られました。

またこの北出橋の畔には以前一石六体地蔵があったようですが、盗難にあってからは別の場所に移され、どこに在るのか教えてもらえません。

最近こういう小石仏の盗難が多く、地元の人たちも用心深くなってしまって、僕たち石仏愛好者は白い目で見られることが多いので困っています。

撮影2006.8.6