通り掛りに白砂川越しのアングルで撮影してきたので画像の更新UPです。
川岸に菜の花が咲きほのぼの、鄙びた野の仏の風情がなんとも心に沁みつく磨崖の阿弥陀さんです。
<撮影2011.5.2>
柳生坂原の地は、国道24号線、奈良坂の般若寺から、柳生へ向かう国道369号線沿いの最終集落で、長閑な里山の広がる石仏の里で、僕の好きな所の一つです。
この集落の入り口に産直の販売所が在り、集落内に入る旧道をしばらく行くと、白砂川に架かる北出橋に差し掛かる。
北出橋の手前右側、白砂川越の岸壁にこの磨崖石仏が見えてくるが、案内板や標識はまったく無いので見逃しかねない。
北出橋を渡り、右手に入っていくとこの石仏の前に出ることが出来る、その昔この石仏の前に道が通じていたような気配がうかがわれる。
大きな岩壁の中央部に長方形の枠取をし、その中につぼ型光背を深く彫り窪め、その中に像高91cmの来迎印阿弥陀如来が彫られています。
小川沿いの長閑な石仏でこの地と好く溶け合って、いかにも野の仏としての雰囲気が素敵な磨崖石仏です。
文和5年(1356)という南北朝時代の年号が入っている阿弥陀様で、今でも信仰が篤いのか石仏の前には、なにやら奇妙な、オコナイの跡が見られました。
またこの北出橋の畔には以前一石六体地蔵があったようですが、盗難にあってからは別の場所に移され、どこに在るのか教えてもらえません。
最近こういう小石仏の盗難が多く、地元の人たちも用心深くなってしまって、僕たち石仏愛好者は白い目で見られることが多いので困っています。
撮影2006.8.6