本来は低い山に囲まれた静かな里山であっただろうと想像するに難くない。
しかし近くの丘の様に低い山はゴルフ場に、又新興住宅団地にと様変わりし、この春日の旧集落だけが様変わりすることなく懐かしい里山の雰囲気を残している。
この地の春日神社は、国道1号線水口から低い山沿いを縫って旧八日市方面へ抜ける県道脇の丘の中段に鎮座している。
県道に面した鳥居をくぐり急な石段ノ登り終わり、境内への入り口手前、両側の勧請木にこの勧請縄が渡されている。
太縄は約5m~6m、短い小勧請には社叢の常緑樹の小枝を付け、縄の中央には陽物だと思われる藁飾りをつけていて、五穀豊穣、村内安全の木札も付けている。
この陽物をあらわしていると思われる藁飾りは、ここより南東方面の伊賀地域でもよく目にするもので、これより湖岸よりでは見かけたことがないのも、この地域が伊賀・甲賀とより強い結びつきを持っていたものだと思われる。
境内は広く清々しいがまだ新しいのか神さびた感じではなく、ここも神仏混在するところのようで仏堂も同居している。
神社から少し南に行ったところの辻を右折して切り通しになっている両側に山の神場だと思われる場所があって、切られた縄の残骸が木の根元に巻きつけられていて紙の御幣がひらひら風に舞っていた。
根元にはここでも木の又で作った木偶が置かれていたが、男性の物のみで女性の物がなかったのはどういうわけなのだろうか??
撮影2009.1.11